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JR福知山線脱線事故からきょうで10年


犠牲者の冥福と鉄道の安全を願う追悼慰霊式が営まれる

JR福知山線脱線事故からきょうで10年

JR福知山線脱線事故から10年を翌日に控え、遺族らが600本のろうそくの火で浮かび上がらせた「2005.4.25 わすれない」の文字。近くには犠牲者へのメッセージが書かれたろうそくもともされた=24日夜、兵庫県尼崎市(代表撮影)

 兵庫県尼崎市で乗客106人と運転士が死亡し、562人が負傷したJR福知山線脱線事故は25日で10年となる。犠牲者の冥福と鉄道の安全を願う追悼慰霊式が同市内で営まれ、参列者は事故が起きた午前9時18分に合わせて黙とうをささげる。

 国鉄民営化後最悪となった事故は刑事裁判に発展。JR西日本が現場を急カーブにする工事をした当時、鉄道本部長だった山崎正夫元社長(71)が業務上過失致死傷罪で在宅起訴されたほか、歴代社長の井手正敬(80)、南谷昌二郎(73)、垣内剛(71)の3氏も検察審査会での2度にわたる起訴相当議決を経て同罪で強制起訴された。

 一連の裁判では、現場カーブの危険性の認識(予見可能性)や自動列車停止装置(ATS)の設置を指示する義務の有無(結果回避義務違反)などが争点となったが、山崎元社長は2012年1月、神戸地裁の無罪判決が確定。井手氏ら3人も13年9月の一審、今年3月の二審とも無罪となり、指定弁護士が上告している。

 こうした現状を憂慮した遺族や負傷者らの一部は、加害企業に罰金を科す「組織罰」を考える勉強会を昨年3月に結成。笹子トンネル(山梨県)の天井板落下事故などの被害者らや法律家と意見を交わすなど積極的に活動している。