世界日報 Web版

羽生結弦2連覇ならず「銀」、波乱の1年


フィギュア世界選手権で連覇逃す、最後に落胆

羽生結弦2連覇ならず「銀」、波乱の1年

男子フリーで演技する羽生結弦=28日、中国・上海(時事)

羽生結弦2連覇ならず「銀」、波乱の1年

銀メダルを手に笑顔の羽生結弦=28日、中国・上海(時事)

 苦しみを何度も味わった波乱のシーズンは、落胆で終わった。羽生はフリーで本来のスピード感を欠き、要の4回転ジャンプでミスを重ねて沈んだ。SP首位のリードを守れず2連覇を逃し、「正直悔しい」と短い言葉に気持ちを込めた。

 4回転は冒頭のサルコーが2回転で抜け、続くトーループで尻もちをついた。そこから踏ん張って立て直したが「オペラ座の怪人」は輝かず、最後は肩で息をした。「足がふわふわして体をコントロールし切れなかった」。大技が崩れ、これだけ切れを欠けば王者といえど得点は伸びない。

 五輪王者として迎えた今季は逆境が続いた。上海でのグランプリ(GP)シリーズ、中国杯から暗転した。練習で閻涵(中国)と衝突して頭部と太ももに傷を負った。GPファイナルと全日本選手権で王座を守って復活したが、腹部の手術と右足首の捻挫が重なり、2カ月も氷を離れた。

 世界選手権まで3週間しかなかった。滑りやジャンプの感覚も、体力も、失ったものは少なくなかったはず。曲をかけて演技を最後まで通す練習を繰り返して自分を追い込んだ。「夏場よりもやったんじゃないか」。荒療治は実らなかった。

 今季の目標だった「進化」は遂げられなかった。4回転をSPでは得点が1・1倍になる演技後半に組み込み、フリーで3本。誰も追い付けない境地まで達するどころか、体が万全ではなく、ほとんど挑むことすらできなかった。「山あり谷ありだったが、僕の人生に(苦しんだ経験は)生きる」。失った王者の称号と誇りを来季、取り戻しにいく。(上海時事)