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引退の花道飾った名牝ジェンティル


中山競馬の有馬記念で有終の美

引退の花道飾った名牝ジェンティル

第59回有馬記念を制したジェンティルドンナ(中央)。騎手は戸崎圭太=28日、千葉・中山競馬場

 名馬の引退レースにふさわしく、記録にも記憶にも残る走りだった。国内外で力を発揮してきたジェンティルドンナが、有終の美を飾る有馬記念制覇。手塩にかけてきた石坂調教師は「偉大な馬。秘めたる力を、最初で最後の有馬記念で見てもらえて本当によかった」と実感を込めた。

 2枠4番の好枠を生かし、先行する2頭を見ながら3番手で追走。乗った戸崎は、スローペースにも走りを乱さなかった愛馬を「馬が我慢してくれた。本当に賢い」とたたえた。最後に鋭く抜け出すと、外から迫る1番人気のゴールドシップ、世界ランク1位のジャスタウェイを振り切って快勝。地方競馬からたたき上げた名手は「しぶとさ、根性もある。最高の名牝と言っていい」と興奮気味に歴史的な一戦を振り返った。

 芝のG1)レースで中央競馬史上最多タイの7勝目(海外含む)、通算獲得賞金は歴代2位。振り返れば2012年に牝馬3冠を遂げ、年度代表馬にも輝いた。昨年は史上初のジャパンカップ2連覇。今年3月にはドバイ国際競走シーマクラシックも制し、常に華やかな道を駆け抜けてきた。「よく私が、こんなすごい馬を管理できたな」。石坂調教師はつぶやいた。

 最後に初めて走った中山競馬場で、レース後に引退式が行われた。照明の中、きれいな馬体が映える。「いい子を生んでほしい。自分も乗ってみたい」と戸崎。もう走る姿は見られないが、夢は続く。