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NHK杯で羽生結弦、悔しい結果に苦笑い


男子SP5位、最善策も影響隠せず

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男子SPの演技を終え、笑みがこぼれる羽生結弦=28日、大阪・なみはやドーム

 中国杯の悪夢の衝突事故から20日で、本人でさえ「ここにいること自体が奇跡に近い」と話すほど。約3分間のSPを演じ切っただけで安堵(あんど)してもいいはずだが、羽生は違った。「本当に悔しい。(出来は)30点」

 今季から後半に組み込んだ4回転トーループを冒頭に移すなど、演技構成のレベルを落とした。現状での最善策を取ったが、甘くはなかった。「感覚は良かった」と言うが、4回転は回転不足となって膝が折れるように転び、後半の3回転の連続ジャンプも一つ目の着氷を失敗した。

 練習でジャンプが跳べていなかったわけではない。本音はともかく、痛みもなかったという。だが、急きょの構成変更に対応するのは難しい。ジャンプを跳ぶリズムが変わり、昨季と全く異なるスローなピアノ曲に合わせるには時間がなかった。実際、4回転に入る速度も試行錯誤していた。負傷の影響は大きかったが、「実力不足」と言い切ったのは、王者の意地だろう。

 SP5位と出遅れた。フリーは演技時間がさらに1分半長くなり、体力的な試練も待つ。だが「悔しい感情は、僕にとってはプラスになる」。19歳を支える不屈の闘志がある限り、GPファイナルへの道は閉ざされない。