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責任者の国中さん「いざ、フロンティアへ」


はやぶさ2、困難乗り越え

責任者の国中さん「いざ、フロンティアへ」

宇宙航空研究開発機構の国中均教授=6日、相模原市中央区

 フロンティアへ、こぎ出して行け-。30日に打ち上げられる小惑星探査機「はやぶさ2」。プロジェクトを率いる宇宙航空研究開発機構の国中均教授は「見たことがない、行ったことがないフロンティア(未開拓の場所)へ進出する乗り物を作るのが人類の夢。さらに遠くへ行きたい」と開発に込めた思いを語る。

 初代はやぶさが切り開いた小惑星探査。だが、米国が小惑星の試料採取を狙う大型探査機の打ち上げを計画し、欧州も彗星(すいせい)への着陸機を成功させるなど、追われる立場になった。

 国中さんは「宇宙探査が国際協力で進む中、日本が主体的にできるミッション(任務)として、世界の先頭に立てる技術が必要だ」と強調。「小惑星探査は日本の身の丈に合ったいい領域。技術開発を担うエンジニアを育てないといけない」と継続の重要性を説く。

 はやぶさ2の開発は困難が続いた。相次ぐ予算削減の危機、技術的な課題、迫る打ち上げのタイミング。「なかなか計画通りに行かず、かなりやりくりをして間に合わせた」。探査機を完成できたのは、50年に及ぶ技術の蓄積だった。国中さんは「日本の技術、産業力も捨てたものではない」と話す。

 初代はやぶさでは、航行を支えたイオンエンジンの開発を担当。帰還が巻き起こしたブームに、「イオンエンジンはツール(道具)だ」と実感した。「宇宙工学という領域を越え、影響力の規模が違った。イオンエンジン開発は当時の究極の目標だったが、それを使って何ができるかだ」と認識を新たにした。

 「だからこそ、ツールをより完成度の高いものにして、宇宙探査という新しい領域をつくりたい」。旅立つはやぶさ2に、何と声を掛けるのか。国中さんは「気張ってください、かな。自分たちが作った船が目標とする天体にこぎ出して行くイメージなので」と笑顔を見せた。