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白鵬、“日本の父”大横綱大鵬を超え恩返し


ただ一人未到の地へ、大相撲九州場所で白鵬V32

白鵬、“日本の父”大横綱大鵬を超え恩返し

後援者らに祝福され、笑顔の白鵬(中央)=23日、福岡国際センター

白鵬、“日本の父”大横綱大鵬を超え恩返し

白鵬(右)は鶴竜を寄り切りで下し、大鵬が持つ歴代最多記録に並ぶ32度目の優勝を決めた=23日、福岡国際センター

白鵬、“日本の父”大横綱大鵬を超え恩返し

2008年4月、大相撲夏場所前の横綱審議委員稽古総見で、元横綱大鵬の納谷幸喜さん(右)にあいさつする白鵬=東京・両国国技館

 幾度となく白鵬の頬に涙がつたった。花道でも、支度部屋でも。32度目の優勝。大横綱大鵬しか成し得なかった偉業に到達し、「言葉にならない。一生忘れられない」。かみしめるように話した。

 鶴竜との結び。まわしに手が届かないと、すかさず右からいなす。左を結び目の奥まで差し、右も引く万全の形から、相手得意の巻き替えを許さない速攻の寄り。歴史的な記録が懸かった大一番を、5秒足らずで終えた。

 元大鵬の故納谷幸喜さんからは、稽古の重要さや横綱の在り方など、多くを学んできた。その大鵬が大記録を打ち立てたのは1971年初場所だった。それから約44年後に「角界の偉大な父の記録に並ぶことができた。約束と恩返しを果たすことができた」。

 今場所は6日目に金星を与えた。鶴竜を追う立場となったものの、終盤には単独トップの定位置に。白鵬の安定感からすれば、大記録達成は遠くないと思われたが、本人は「前半で1敗して苦しい戦いだった」と明かす。精神面でも強かった。

 満身創痍(そうい)で32度目の優勝にたどり着いた大鵬とは違い、横綱昇進後に休場がない白鵬の体に不安は見当たらず、「40回はいける」と北の湖理事長(元横綱)。白鵬は「この優勝に恥じないように、今後も一生懸命頑張っていきたい」。来年から前人未到の地を歩む。