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北朝鮮の咸鏡南道・咸興市で日本遺族が慰霊


当局が日本人埋葬地への立ち入りを新たに許可

北朝鮮の咸鏡南道・咸興市で日本遺族が慰霊

21日、北朝鮮東部の咸鏡南道・咸興市の埋葬地とされる場所で手を合わせる畔田八恵子さん(手前左)と兄の福島隆さん(同右)(時事)

 終戦前後に現在の北朝鮮地域で亡くなった日本人の墓参のため訪朝している遺族は21日、東部の咸鏡南道・咸興市の埋葬地で慰霊を行った。北朝鮮当局は多くの日本人が埋葬されたとされる同市会上区域の山への立ち入りを初めて認め、遺族が追悼した。

 この埋葬地周辺には軍事関連施設などがあるため、前回までの墓参では立ち入りが許されなかった。地元当局は日本人遺骨の調査なども含む日朝合意を受け、この地域を改めて調査した上で、今回は遺族の墓参を認めることにした。

 熊本県山鹿市の福島隆さん(79)と妹の千葉県茂原市、畔田八恵子さん(70)は昨年6月に続き2回目の墓参訪朝。朝鮮半島北東部の清津で育った福島さんは家族と共に引き揚げ途中に咸興にたどり着き、極貧の避難生活の中、1945年の大みそかに父を病気で亡くした。

 父の遺影の前で線香を上げた福島さんは「68年前に咸興を脱出する直前に来て以来だ。昨年の墓参ではここまで入れなかったが、今回は父の墓の近くまで来られ、父がそばに来たような気持ちになった」と語った。(咸興〈北朝鮮東部〉時事)