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熊本豪雨で被災、くま川鉄道が一部運転再開


1年5ヵ月ぶりの運行に感謝の声、「復興のシンボルに」

熊本豪雨で被災、くま川鉄道が一部運転再開

くま川鉄道の記念列車に乗車する地元高校生ら=28日、熊本県湯前町


 
 2020年7月、熊本県南部などを襲った豪雨で被災し、全線で運休していた第三セクターくま川鉄道(本社・同県人吉市)が28日、一部区間で運転を再開した。登下校で利用する地元高校生からは、約1年5カ月ぶりとなる運行に感謝の声が上がった。

 人吉温泉(同市)-湯前(湯前町)間の全14駅、約25キロを結ぶくま川鉄道は、7月豪雨で全5車両が浸水し、登録有形文化財「球磨川第四橋梁(きょうりょう)」や駅ホームの流失など甚大な被害に遭った。

 この日、運行を再開したのは肥後西村(錦町)-湯前間の約19キロ。湯前駅近くの施設で開かれた記念式典では、豪雨災害の犠牲者に黙とうがささげられた。くま川鉄道の会長を務める松岡隼人・人吉市長は「復興のシンボルとして、地域住民に希望と勇気を与える」と運転再開の意義を語った。

 午前10時50分発の再開記念列車を見送るため、湯前駅ホームには旗を持った多くの人が並んだ。3両編成の列車には、沿線の高校に通う生徒ら約100人が乗車。県立人吉高校の生徒らによる「出発進行」の号令に合わせ、列車は汽笛を鳴らして走りだした。

 被災後は代替バスで通学していた同校3年の岩野桃子さんは「車内のおしゃれな雰囲気が気に入っている」と笑みを見せ、「登下校が楽しみになる。これから感謝の気持ちを持って乗りたい」と話した。

 くま川鉄道によると、利用客の約8割は沿線高校の生徒で、被災後は12台のバスで代替輸送していた。運休が続く人吉温泉-肥後西村間は、引き続き代替バスが運行される。全線復旧のめどは立っていない。