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から揚げ、コロナ禍の影響で苦肉の販売調整へ


タイで生産が停滞し鶏加工品の輸入が減少、品薄状態続く

から揚げ、コロナ禍の影響で苦肉の販売調整へ

サイゼリヤの「辛味チキン」。通常5個だが、原料不足のため4個で販売されている=22日、千葉市

 コンビニエンスストアやファミリーレストランの一部で、から揚げなど鶏肉の加工品が品薄状態に陥っている。コロナ禍の影響で、夏ごろから加工品の一大産地タイの工場で生産が停滞したためだ。チキン需要が最盛期を迎えるクリスマスシーズンを控え、大手チェーン各社は販売数量の調整などで乗り切ろうとしている。

 セブン-イレブン・ジャパンは、タイで製造する「からあげ棒」「ななチキ」などの調達に支障が生じた。一部エリアへの供給を絞っており、「クリスマスごろには通常通りに購入してもらえるよう体制を整えている」(広報)という。ファミリーマートも「ファミチキ」の供給を全国的に調整。12月中旬には十分な量を販売できる見通しだ。

 家庭向け冷凍食品も同様で、味の素冷凍食品(東京)では「ザ★から揚げ」などタイで生産する6商品が10月上旬から品薄に。その後、工場の稼働が正常化し、11月中には通常の販売体制に戻るという。

 外食にも影響は広がる。サイゼリヤは輸入手羽の在庫が不足。通常5個で販売する「辛味チキン」を値段据え置きで4個に減らし、元に戻すめどは立っていないという。すかいらーくホールディングスの谷真会長兼社長は、鶏肉の輸出大国ブラジルに仕入れが集中していると明かし、「奪い合いが始まっている」と顔をしかめる。

 一方、ローソンの「からあげクン」や日本ケンタッキー・フライド・チキン(横浜市)は国産鶏肉を使用しており、影響はないという。農林水産省は「タイでのコロナ感染拡大が時間差で響いている」(食肉鶏卵課)と指摘。国産の価格も上昇している上に、ここにきて鳥インフルエンザが相次いで発生し、事態が深刻化しないか警戒している。