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京王線襲撃から1週間、容疑者は人生に悲観か


「一人旅したい」と地元離れ、周到に計画も動機は不明

京王線襲撃から1週間、容疑者は人生に悲観か

電車内に座り、たばこを吸う服部恭太容疑者=10月31日夜、東京都調布市の京王線国領駅(撮影した男性提供)

 京王線の電車内で乗客17人が刺されるなどした事件で、殺人未遂容疑で職業不詳服部恭太容疑者(24)が逮捕されてから7日で1週間。「気分転換に一人旅がしたい」。家族にそう言い残した数カ月後、同容疑者は事件に及んだ。警視庁調布署捜査本部は人生に悲観し、乗客を無差別に襲撃したとみて調べている。

 捜査関係者によると、服部容疑者は福岡市出身で、県立高校卒業後、介護ヘルパーやインターネットカフェの店員として勤務。6月に人間関係のトラブルから約3年間勤務したコールセンターを退職した。

 「1人暮らしをしたい。その前に気分転換で一人旅がしたい」。服部容疑者は7月、家族にそう言い残して地元を離れ、神戸市や名古屋市、東京都八王子市のホテルを転々とする暮らしを始めた。貯金を使い果たすと消費者金融で生活費を工面。当日着用した人気映画「バットマン」シリーズの悪役「ジョーカー」に似た洋服を購入するなど襲撃準備を進めた。

 「仕事で失敗し、友人関係もうまくいかなかった」「死刑になりたい」。自暴自棄とも取れる話をする一方、事件直前、東京に遊びに来るという家族に対しては「ホテルを予約しておくよ」と伝えるなど変わった様子はなかった。

 電車内に約5リットルものライター用オイルを持ち込み、「乗客を燃やし殺そうと思った」と供述した服部容疑者。周到に襲撃を計画したとみられるが、捜査関係者は「動機がよく分からない」と首をかしげる。

 事件は10月31日午後8時ごろ、京王八王子発新宿行きの上り特急車内で発生。服部容疑者は男性(72)をナイフで殺そうとした疑いで逮捕された。ライター用オイルをまいて火も付けており、10~60代の16人が煙を吸うなどして軽傷を負った。