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活気戻るもなお貧困の渦、「生活下支え策を」


ワクチン予約や配食で公園に列、恒久的な支援策求める

活気戻るもなお貧困の渦、「生活下支え策を」

国際支援団体によるワクチン接種の予約を行う参加者=23日、東京都豊島区の東池袋中央公園

 新型コロナウイルス感染者が減少し、各地でにぎわいを取り戻しつつある中、東京都心の公園には今も食事などを求め、生活困窮者が長蛇の列を作る。衆院選で各党とも現金給付を訴えるが、支援団体からは「恒久的支援策で生活の下支えを」との声が上がる。

 秋の陽光が注ぐ23日の池袋。超高層ビル「サンシャイン60」の近くにある東池袋中央公園は、活気あふれる街とは対照的だった。国際支援団体によるワクチン接種の予約を待つ人々の姿があった。

 台東区の簡易宿泊所から訪れたという男性は、ネットカフェなどで寝泊まりしながら、6月まで建設現場で働いていた。蓄えは二十数万円あったが、急性虫垂炎で2カ月近く入院したのを機に職を失い、さらにコロナが追い打ちをかけた。

 健康保険証はない。ワクチン接種券も届かない境遇だった。「仕事の面接を受けたくて電話すると、接種したのかと聞かれる。『まだです』と答えると断られる。現場は密だから。接種証明がないせいで苦労した」

 国際団体の支援を受けて11月下旬には2回目接種を終える。「証明書があれば仕事も何とかなるんじゃないかな」。笑顔でワクチン接種予約票の入った封筒を握り締めた。

 気温がぐっと下がる夕方になると、炊き出しなどを行う支援団体「TENOHASI」の配食には、幾重もの列ができた。

 弁当を受け取った20代男性は、素足にサンダル履き。冬物の上着や靴下の入った袋も抱えていた。

 大学でマーケティングを専攻していたが、家族関係がこじれ、2年前に中退。携帯電話販売員やデータ入力事務などを転々とし、ネット通販の倉庫で働いた。

 「勤務時間は午前7時45分から午後7時10分。トイレに行く時間分だけ評価が下がった」。4月に我慢は限界を超え、路上生活に。今は生活保護を受けながら働き口を探すが、「応募しても受からない」とこぼす。

 この日、ワクチン予約に84人が並び、配食はリーマン・ショック時に迫る427食に上った。TENOHASI事務局長の清野賢司さんは「非正規社員らがコロナ禍の失業などで生活できなくなっている」と指摘し、「一時給付でどうにかなるものではない。恒久的な支援を設計し、生活の下支えが必要だ」と政治に訴えた。