世界日報 Web版

「優勝請負人」ソフトバンク工藤公康監督が退任


人一倍の意欲と探求心、リーグ優勝3回、日本一5回

「優勝請負人」ソフトバンク工藤公康監督が退任

工藤公康監督

 「優勝請負人」や「短期決戦の鬼」と呼ばれた工藤監督の引き際は潔かった。7年でソフトバンクを3度のリーグ優勝と5度の日本一に導いた名将。続投要請を受けながら、想定外に低迷した今季を区切りとした。王貞治会長は「本人の意思がすごく固かった」と明かす。

 就任した2015年にリーグ優勝と日本一。先の戦いを見据えた先発陣の編成や、細かな継投策などで勝負強さを見せ、ポストシーズンでは無類の強さを誇った。17年から昨季までは巨人の「V9」に次ぐ、日本シリーズ4連覇を達成。誰よりも「勝ち方」を知っていた。

 実働29年の現役生活で在籍5年だったホークスのユニホームを再び着ることを決断したのは、監督だった王氏への恩返し。就任前には筑波大大学院でスポーツ医学やトレーニング理論などを学んだ。指導者経験のないまま秋山幸二氏からバトンを受けると、投手陣の整備に尽力した。

 優勝旅行後に、一人で米本土に渡ったことも。現地の勉強会に参加し、視察を行うためだった。得た学びはチームに還元。好成績の裏付けには、人一倍の探究心と勝利への意欲があった。「ホークスは常に勝たなければいけないチーム」という言葉は、後任者や選手に残すメッセージに聞こえる。勝つことが美学という信念を最後まで貫いた。