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台湾TSMC、日本に半導体工場を建設へ


生産拠点をグローバルに拡充、熊本で24年に生産開始へ

台湾TSMC、日本に半導体工場を建設へ

半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)本社=1月29日、台湾・新竹市(AFP時事)

台湾TSMC、日本に半導体工場を建設へ

台湾TSMCが半導体工場を建設予定の熊本県菊陽町

 半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は14日、日本に半導体の工場を建設すると発表した。2022年着工、24年の生産開始を目指す。魏哲家・最高経営責任者(CEO)が同日の決算説明会で明らかにした。同社が日本に生産拠点を置くのは初めて。

 詳細は明らかにしていないが、工場は熊本県に建設され、ソニーグループ(G)やデンソーも参加する見通しだ。総事業費は8000億円規模で、日本政府が半額を補助する方向で検討している。魏氏は「顧客や日本政府から支援の確約を得ている」と説明した。

 工場では、回路線幅22~28ナノメートル(ナノは10億分の1)のロジック半導体を製造。主に画像センサー用半導体や、世界的に深刻な供給不足に陥っている車載用半導体が生産される見込み。工場は、大口取引先のソニーGが持つ熊本県菊陽町の画像センサー工場の近くに建設されることが明らかになっている。

 TSMCは、生産能力の大半を台湾に置き、世界に半導体を輸出することで、高い収益力を確保してきた。しかし、米中対立が激化する中、経済安全保障の観点から半導体の重要性が再認識され、生産拠点の誘致合戦が世界で活発化。TSMCは昨年、米政府の要請に応じる形でアリゾナ州への新工場建設を決めた。

 魏氏は同日の説明会で「生産拠点をグローバルに拡充することで、(高度)人材への接触が可能になり、顧客のニーズを満たすこともできる」と強調した。同社はドイツに生産拠点を設けることも検討している。(台北時事)