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緊急事態全面解除が決定、「旅行楽しみ」弾む声


酒類提供を見据え飲食店の備え着々、再発令に不安の声も

緊急事態全面解除が決定、「旅行楽しみ」弾む声

観光客がまばらな浅草寺の雷門前=28日午後、東京都台東区

 新型コロナウイルス対策のため19都道府県に発令中の緊急事態宣言が、今月末で全面解除されることが28日、決まった。観光地では旅行需要への期待が膨らみ、飲食店では酒類提供を見据えた準備も進む。一方、感染再拡大による再発令への不安の声も聞かれた。

 1回目のワクチン接種をこれから受けるという札幌市の中学3年の女子生徒(15)は「延期されていた修学旅行にやっと行ける」と声を弾ませた。母親(40)も「高校受験を前に不安もあるが、学校行事の再開はいいこと」と喜んだ。

 同市郊外の定山渓は、10月中旬から紅葉の見頃を迎える。観光協会事務局長の長谷川信之さんは「感染対策は十分行っているので足を運んでほしい」と期待した。一方、会社員の女性(69)は「ワクチンを2回接種したので旅行したいが、若い人たちはこれまでの鬱憤(うっぷん)を晴らそうとはじけてしまうのでは」と懸念した。

 東京・浅草のもんじゃ焼き店代表の男性(54)は酒類提供の再開に備え、ビールサーバーを手入れした。解除にほっとしたといい、「油断はできない。(感染者数が)元に戻らないといいが」と語った。売り上げが6割減ったという手ぬぐい店の女性店長(55)は「観光客が戻るのはもう少し先だろう」と話した。

 京都・清水寺の参道は土産物店などが軒を連ねるが、シャッターが下りたままの店も。古美術店「菅沼清峯堂」の女性は「漬物や骨董(こっとう)品、瀬戸物を扱う店は、年配の客が来ないので閉めている。暇ほど疲れるものはない」とため息交じりに語った。

 京都市中心部で町家風の店を構える「御肉処銀閣寺大にし」は酒類の発注を再開したが、予約は低調。マネジャー高山勇生さん(47)は「これまで感染者の急増で客足がぴたっと止まった。年内に再発令があったら…」と気をもんだ。