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水産庁が全面禁止、クロマグロを少し釣らせて


キャッチ・アンド・リリースも禁止、釣り人から不満の声

水産庁が全面禁止、クロマグロを少し釣らせて

採捕が禁止されていなかった5年前、伊豆諸島の大島沖で小型クロマグロを釣り上げた釣り人=2016年11月(釣り人提供)

 マグロの中で最高級とされるクロマグロに関する規制が、レジャーの釣りにも広がっている。今年6月に小型魚の釣りが禁止されたのに続き、8月下旬からは30キロ以上の大型魚も禁止され、釣り人から「少しは釣らせてほしい」といった要望が出ている。

 国際的に資源管理が強化されてきたクロマグロ。日本周辺では漁獲可能量(TAC)制度により、水産庁が漁業者に太平洋・日本海で総枠約1万トンの上限を設定。大型と小型に分けて、漁法や都道府県別に漁獲枠を配分して管理している。

 遊漁船やプレジャーボートによるクロマグロ釣りについては、昨年まで制限がなかったものの、水産庁は関係組織と協議の上、今年6月から資源回復を目的に小型魚の採捕を禁止し、大型魚については同庁への報告を義務付けていた。

 その結果、今年6月1日から8月20日まで全国で約20トンのクロマグロ採捕が判明し、「放置すればクロマグロの資源管理の枠組みに支障を来す恐れが生じる」(同庁)として、8月21日から大型魚の釣りも禁止となった。

 期間は来年5月末までで、クロマグロを狙った釣りがキャッチ・アンド・リリースも含めて全面禁止に。違反者には農林水産相が指示に従うよう命令し、命令に従わなかった場合には1年以下の懲役、50万円以下の罰金などが科される。

 規制強化に対し、釣り愛好者からは「たった20トンで禁止にされるの」といった不満や、「釣りにも枠を設定すべきだ」「せめてキャッチ・アンド・リリースを認めてほしい」と求める声がある。

 来年6月以降の規制措置について水産庁は、関係組織と協議を行って決める予定だが、釣り人らの要望が実現されるかどうかは未定。遊漁船が都道府県の登録制になっているのに対し、プレジャーボートは組織化されていないため実態把握が課題で、採捕枠の早期設定は難しい。

 キャッチ・アンド・リリースについては、いったん釣り上げると死んでしまうこともあり、「クロマグロが(放流後に)生存する効果について、科学的な検証が必要」と同庁。にわかに認められそうにない。