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「タリバン復活」、アフガン住民の恐怖募る


戦闘で36万人が避難民に、戦争犯罪が起きている恐れも

「タリバン復活」、アフガン住民の恐怖募る

アフガニスタン北部クンドゥズ州とタハル州から逃れてきた人々=10日、カブール(EPA時事)


 
 アフガニスタンで今月に入り、反政府勢力タリバンが各州の州都を次々と制圧、支配地を拡大させている。既に陥落した北部地域の住民は「タリバン政権復活」を見据え、早くも恐怖の感情にさいなまれている。

 バイデン米大統領は政府軍が劣勢の状況下でも8月末の米軍撤退を予定通り完遂する構えだ。タリバンはその空白を縫うように北部や西部の複数の州都を奪取。これまでに住民数千人が比較的安全な首都カブールに逃れてきた。

 タリバンが8日に制圧した北部の要衝クンドゥズに住んでいた女性フリバさん(36)は子供6人と共に避難してきた。「(クンドゥズでは)刑務所の近くにいくつもの遺体が横たわっていたのを見た」とフリバさん。タリバンの報復が怖く、AFP通信の取材でも身元の特定を嫌がった。

 また、数日前にクンドゥズを逃れたという男性は「(タリバンは)政府のために働いていたとみなした理容師を殺害した。彼は単なる理容師だったのに…」と嘆いた。

 20年前まで続いたタリバン政権下ではイスラム教が厳格に解釈され、むち打ちや処刑も実施されていた。

 タリバンが同じく陥落させた北部タハル州の州都タロカンを先週脱出した女性マルワさん(25)は「16歳のいとこがタリバン戦闘員との結婚のため拉致されたと聞いた」と証言。自分も二の舞いになるのではと恐怖心を隠せない様子だった。

 複数の人権団体はアフガンで現在、戦争犯罪が起きている恐れがあるとして調査を要求している。国連の国際移住機関(IOM)は10日、アフガン国内の戦闘で今年だけで35万9000人超が避難民となったとする調査結果を公表した。(カブールAFP時事)