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外国人記者の東京五輪、コロナ下開催に評価の声


厳しい取材・行動制限に苦戦、触れた日本人の親切

東京都内の五輪メインプレスセンターで作業する外国人記者ら=7日

 新型コロナウイルス感染が拡大する中、ほぼ無観客で行われた東京五輪について、取材した外国人記者からは、「この状況下でよくやり遂げた」と評価する声が上がった。厳しい取材・行動制限に縛られた日本滞在は「大変だった」と語る記者や、取材の合間に触れた日本人の優しさに感動した記者もいた。

 ◇「大会は成功」

 「難しい条件下でよく準備した。状況は最悪だったとしても大会は成功だと思う」。冬季を含め8回の五輪を取材したスロバキア紙のイボール・レホタン記者(55)は東京五輪をこう総括した。

 外国人記者は入国後、ホテルで3日間の隔離が義務付けられ、その後も11日間はホテルと会場での取材だけの日々が続いた。インド由来のデルタ株の猛威で東京を中心に感染が広がる中、外出は厳しく制限された。

 レホタン記者も「隔離生活」はこたえたようだ。「過去の五輪では街中やレストラン、バーなどどこへでも行け、同僚とビールも飲めた」が、今回はホテルで1人ビールを飲んだだけ。「旅行ではなく仕事で来たからね。これが私たちの試合さ」と吹っ切った。

 ◇差別受けた感情も

 「無観客だったのは日本にも、われわれにも残念だった」と話すのは、英紙メール・オン・サンデーのオリバー・ホルト記者(55)。ただ、英国代表には好成績を収めた選手も多く、「アスリートに大きな影響はなかったかもしれない」と分析した。

 これまで何度も来日経験があるホルト記者にとっても隔離生活は大きな負担だった様子。滞在した銀座のホテルでは、正面玄関やホテル内のレストランの利用が許されなかった。「神経質になるのは理解するが、一種の差別を受けているようにも感じた」とこぼした。

 ◇交流が思い出に

 スイス紙のジェローム・レイナード記者(35)は無観客試合を取材。スイスでも無観客試合は多くなっており、雰囲気には「もう慣れた」という。五輪取材は2回目だが、今回は「競技に集中した。興奮はアスリートから直接伝わってきた」と話した。

 初来日だったレイナード記者は、14日間の制限措置後に外出した際、日本人と触れ合った思い出も語った。来日前は五輪開催への反発から外国人への警戒感が強まっていると聞いていたが、「レストランで注文を助けてくれ、『滞在を楽しんで』と声を掛けてくれた」と述べ、日本人の親切心に感動したと振り返った。(時事)