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川井梨紗子、日本女子3人目の五輪連覇を達成


姉妹で金メダルも実現、重圧を乗り越え特別なメダルに

川井梨紗子、日本女子3人目の五輪連覇を達成

姉妹で金メダルを獲得し、笑顔を見せる姉の川井梨紗子(右)と妹の友香子=5日、千葉・幕張メッセ

川井梨紗子、日本女子3人目の五輪連覇を達成

女子57㌔級で金メダルを獲得し、笑顔を見せる川井梨紗子=5日、千葉・幕張メッセ

 試合を終えた川井梨紗子は、澄み切った表情でマットにお辞儀した。客席にいた妹の友香子に、柔らかな笑顔を向ける。「リオの時と比べると、重みがある。特別だなと思います」。若さの勢いで取った5年前とは、味わいが違う金メダル。吉田沙保里と伊調馨に次いで、日本女子で3人目となる五輪連覇を達成した。

 クラチキナとの決勝。巧みな組み手で攻撃の糸口をつかみ、着実に得点を重ねた。相手のタックルはきっちりつぶす。無失点で勝利。「6分間、集中できた自分によくやったなと(言いたい)」。培ってきた高い技術は、大一番でも狂いがなかった。

 21歳で出場したリオデジャネイロ五輪を圧勝続きで制すると、関係者の誰もが「次は川井梨が日本のエース」と評した。その後に出場した3度の世界選手権は全て優勝。大きな期待に応えてきたが、この間に感じた重圧の大きさは「想像以上だった」と振り返る。

 リオ五輪後の国際大会で唯一の黒星を喫したのが、2018年のジャカルタ・アジア大会。準決勝で敗れ、3位の表彰台で泣きじゃくった。「私が引っ張って優勝しないといけなかったのに。器が小さかった」

 さらに同じ年、五輪4連覇の伊調が休養から復帰。川井梨と57キロ級で東京五輪代表の座を争うことになった。最初の選考会だった同年12月の全日本選手権決勝で伊調に敗れ、川井梨は「もうやめたい」。そこまで追い込まれた。

 それでも、妹の友香子と五輪に出場するという夢は諦め切れなかった。気持ちを奮い立たせ、翌年の全日本選抜とプレーオフで伊調に勝利。「馨さんに勝ったんだから、もう今後は負けてはいけない」。高い壁を乗り越えたからこそ、本物の自信が生まれた。

 吉田、伊調の「最強の系譜」を受け継ぎ、友香子との「姉妹で金メダル」も実現させた。「こんなに良い日があって、いいのかな」。笑顔がはじけた。