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水泳銀の本多灯選手、仲間に欠かさず伝言


「笑顔を忘れるな!」、気遣いを忘れないムードメーカー

水泳銀の本多灯選手、仲間に欠かさず伝言

競泳男子200㍍バタフライで銀メダルを獲得した本多灯選手=7月28日、東京アクアティクスセンター

 「つらいことがあっても、忘れてはならないのは『笑顔』です」。東京五輪で競泳陣が予想外の苦戦を強いられる中、男子200メートルバタフライで銀メダルを獲得した本多灯選手(19)が常に心掛けていたのは、2年前に仲間に送ったこの言葉だった。

 水泳の全国強豪校としても知られる日大藤沢高校(神奈川県藤沢市)。本多選手は2019年夏、最後の全国高校総合体育大会(インターハイ)出場を見送り、同時期にハンガリーで行われた世界ジュニア選手権への参加を決めた。

 しかし、自身の試合中も、水泳部の主将としてインターハイに臨んでいる仲間への気遣いを忘れることはなかった。

 通信アプリで「調子はどうでしょうか」などと頻繁に連絡。「『一日一笑』。インターハイに出る人、サポートの人も一日(一回)必ず笑ってください。そうすれば運はついてきます」「きょうの僕の名言は『攻めの昼寝』。ただし授業中は控えて」などとメッセージを書き込んだ。

 日本選手権では瀬戸大也選手や萩野公介選手といった先輩に物おじすることなく話し掛ける一方で、県の地区予選で敗退する選手とも気軽に言葉を交わす。『まさにムードメーカー』と後輩から評されるだけでなく、面倒見も良く、仲間からも慕われているという。

 高校の1年後輩で、同じバタフライを専門としていた田中彰さん(18)は昨年夏、新型コロナウイルス感染拡大でなくなった最後のインターハイの代わりに行われた学校対抗戦に出場した。「(既に卒業していた本多選手に)相談してアップの仕方を変えたら、ベストタイムが出た」と振り返る。そして「本当にすごくて、人としても尊敬できる先輩。一歩でも半歩でもいいから、近づきたい」とほほ笑んだ。