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小野塚彩那選手、天国の祖父へ届けた銅メダル


祖父の形見胸に、死をきっかけに五輪のメダルを意識

小野塚彩那選手、天国の祖父へ届けた銅メダル

フリースタイルスキー女子ハーフパイプ決勝、小野塚彩那の2回目=20日、ロシア・ソチ(時事)

小野塚彩那選手、天国の祖父へ届けた銅メダル

フリースタイルスキー女子ハーフパイプで銅メダルが決まり、喜ぶ小野塚彩那(左端)=20日、ロシア・ソチ(AFP=時事)

 20日に行われたソチ五輪のフリースタイルスキー女子ハーフパイプで、小野塚彩那選手(25)が銅メダルを獲得した。その瞬間を客席で見届けた母ゆかりさん(45)は、「あの子の母親でよかった…」と涙を流して喜んだ。自慢の娘が、天国の祖父へメダルを届けた。

 小野塚選手は、ゆかりさんの父勝利さんに小さな頃から懐いていた「おじいちゃん子」。勝利さんは、孫が世界の大舞台で活躍するのを誰よりも楽しみにしていた。しかし、2012年3月、肝臓がんのため68歳で亡くなった。ちょうど海外遠征から新潟の自宅に戻っていた小野塚選手は、祖父の枕元で泣き崩れた。そして誓った。「絶対、五輪に連れて行くからね」。不幸は重なり、同じ年の12月には、父方の祖父も他界した。

 愛する家族の死をきっかけに、五輪のメダルを強く意識し始めた。「持って帰るべきものを持って帰らないと、という思いが強くなるのを感じた」とゆかりさん。客席から祖父2人の遺影が見守ったこの日、小野塚選手は力を出し切った。

 競技中、あるお守りを身につけていた。かつて勝利さんが娘にプレゼントした金のネックレス。表彰式を終えると、小野塚選手は祖父の大切な形見をゆかりさんに手渡した。「一人でよく練習して、本当に頑張ったね。私の子供でありがとう」とゆかりさん。約束を果たした娘を強く抱きしめた。(ソチ時事)