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フィギュア女子の村上佳菜子、初の大舞台


厳しい「母」、山田満知子コーチに応えた「孫」

フィギュア女子の村上佳菜子、初の大舞台

練習で笑顔を見せる、フィギュアスケート女子の村上佳菜子(左)と山田満知子コーチ=19日、ロシア・ソチ(時事)

 フィギュアスケート女子の村上佳菜子(中京大)に口癖があった。「先生を五輪に連れて行きたい」

 先生とは、山田満知子コーチ。1992年アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどりや2大会連続出場の浅田真央(中京大)らを育てた70歳の大指導者。五輪は恩田美栄とともに出場したソルトレークシティー大会以来、12年ぶりだ。

 五輪シーズンに入り、山田コーチの雰囲気が違うと村上は感じた。「全てに厳しいというか、人が変わったというか」

 7位に沈んだ昨年11月のロシア杯。村上がリンクのフェンスにもたれ、「佳菜子はスケートに合ってない」と泣くと、「じゃあ五輪に出たくないの」とばっさり切り捨てられた。不調のショートプログラムを12月に急きょ変えると、一日6時間の猛練習。外食も買い物に行くのも禁止された。

 「今までで一番つらかった」と言うが、おかげで、年末の全日本選手権で2位に入り代表の座を射止めた。「結局は連れて行ってもらえる状況になってしまった」と苦笑いするが、背中を押してくれたことに感謝する。

 19歳の村上とは親と子以上の年の差。「昔はおばあちゃんと思っていたが、最近はお母さんだな、と。教えてくれることとか心配の仕方が」。そんな教え子を「感覚は3歳児。喜び方も3歳児のように自然体。それがあの子の弱さでもあり、良さ」と山田コーチ。厚い信頼関係を武器に、初の大舞台で一暴れする。(ソチ時事)