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ノーベル賞受賞者の益川敏英さんが死去、81歳


上顎歯肉がんのため、2008年に素粒子理論で物理学賞

ノーベル賞受賞者の益川敏英さんが死去、81歳

ノーベル賞授賞式を終え、メダルを手にする物理学賞の益川敏英さん=2008年12月10日、ストックホルム(時事)

 素粒子物理学の分野で、宇宙誕生の謎を解明する先駆的な理論を提唱し、2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授の益川敏英(ますかわ・としひで)さんが23日午前8時40分、上顎歯肉がんのため、京都市内の自宅で死去した。81歳だった。葬儀は家族で済ませた。

 1940年、名古屋市生まれ。名古屋大大学院修了後、同大助手、東京大助教授などを経て、80年京都大教授。03年名誉教授、京都産業大教授、09年名古屋大特別教授。

 宇宙が138億年前にビッグバンで誕生した際、現在ある物質と、電気のプラスとマイナスに加え空間の左右も逆の「反物質」が同じだけできたのに、現在は物質しか残っていない。

 益川さんは、物質の最小単位である素粒子のクォークが3種類しか見つかっていなかった73年、6種類存在すると予言。高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授の小林誠さん(77)と共に、6種類存在すれば反物質が消えたことが説明できるとする「小林・益川理論」を提唱した。

 94年までに残り3種類が発見され、益川さんは小林さん、米シカゴ大名誉教授南部陽一郎さん(15年死去)と共に08年のノーベル物理学賞を受賞した。

 飾らない人柄で知られた。「英語は苦手」と公言し、受賞講演をすべて日本語で行った。