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米露「戦略的安定対話」をジュネーブで開催


首脳合意後初の協議、新STARTの後継体制など議論

米露「戦略的安定対話」をジュネーブで開催

シャーマン米国務副長官(EPA時事)

米露「戦略的安定対話」をジュネーブで開催

リャプコフ露外務次官(EPA時事)

 米国とロシアは28日、核兵器などの軍備管理に関する「戦略的安定対話」をスイスのジュネーブで開催した。タス通信が報じた。6月に米露首脳が対話開始で合意してから初の協議。米露が2月に5年間延長した新戦略兵器削減条約(新START)の後継体制などをめぐり議論を交わしたとみられる。

 米側はシャーマン国務副長官、ロシア側はリャプコフ外務次官が出席。米側はロシアが数的優位に立つ新START対象外の戦術核兵器の規制についても話し合いたい考えだ。ロシア側は米国のミサイル防衛(MD)網を議論の対象としたいほか、米露の中距離核戦力(INF)全廃条約の失効で制限がなくなった中距離ミサイルの配備凍結などについても協議する構えだ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、特定分野ごとの作業部会の設置や、新START後継体制を話し合う正式な会合に向けた準備が進められるとみられる。

 バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は6月16日のジュネーブでの首脳会談で戦略的安定対話の開始で合意。両首脳は共同声明で「核戦争に勝者はなく、決して起こしてはならないという原則を再確認した」と強調し、対話を通じて「将来の軍備管理とリスク軽減に向けた土台を築くことを目指す」と表明していた。

 ロシアによる米大統領選介入やサイバー攻撃で近年の米露関係は極度に悪化しているが、バイデン政権は中国への対応に力を入れるため、ロシアとは緊張緩和を模索。軍縮分野は米露が協調できる分野の一つとされている。

 ただ、協力がすんなりと進むかは不透明だ。タス通信によると、リャプコフ氏は27日、米露間の相違を認め、今回の協議の目的は「プロセスを開始して相違点を徹底的に分析し、共同作業の方向性を探ることだ」と指摘。「期待を高めるつもりはない」と語った。(ワシントン、モスクワ時事)