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競泳の大橋悠依、勝負どころ読むしたたかさで金


女子200個メ、的確な判断で決勝に、大接戦を僅差で勝利

競泳の大橋悠依、勝負どころ読むしたたかさで金

女子200㍍個人メドレーを制し、金メダルを手にする大橋悠依=28日、東京アクアティクスセンター(時事)

競泳の大橋悠依、勝負どころ読むしたたかさで金

女子200㍍個人メドレー決勝、力泳する大橋悠依=28日、東京アクアティクスセンター(時事)

 夏季五輪の全競技で見ても、五輪1大会で日本女子選手の2冠は大橋悠依(イトマン東進)が最初だった。偉業達成の直後に実感がないのはよくあること。「本当に自分がやったことなのかなという感じ」と笑った。

 競泳女子200メートル個人メドレーは大接戦。150メートルのターンでは1位から3位まで0秒21差。2番手の大橋は最後の50メートルで先行する選手を横目でチラリと見ながら泳いだ。「あ、やばい。負けるかも」と思ったが、それでも冷静。残り5メートルを切ってかわす僅差の勝利となった。

 個人メドレー2種目の日本記録保持者も近年は調子の波があり、初の五輪代表に決まった後も、もやもやしたまま本番がやってきた。競技が始まる前日には「めちゃくちゃ良くて終わるか、全然駄目で終わるかのどっちかだなって思っていた」。

 2冠へのきっかけは最初のレースだった。24日の400メートル個人メドレー予選。想定通りのタイムで通過し、決勝も作戦通りの展開で頂点に立つと心に大きな余裕が生まれた。200メートルでも周囲を観察しながら冷静に予選、準決勝を泳ぎ、二つ目の金メダルにつなげた。

 大橋が東洋大に入った2014年から指導する平井伯昌コーチは、「雪だるま式に自信が付いていった。大会期間中に成長していった」と語った。

 五輪で2大会連続男子平泳ぎ2冠の北島康介と、大橋の勝因の違いについて、平井コーチは「康介は全部のレースを支配するみたいな感じで、悠依の場合はしたたかさかな」。大橋は予選や準決勝で、どこまで力を抜いても大丈夫かの判断を的確にできて、最後の勝負どころで前に出る力を残した。

 競泳陣は27日まで大橋の400メートル個人メドレーの金メダルだけと影が薄かったが、男子200メートルバタフライの本多灯(ATSC・YW)が銀メダルで勢いをつけ、大橋の2冠によって大きな存在感を示した。