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桃田賢斗が1次リーグ敗退、不覚の幕切れ


バドミントン世界王者に「まさか」、気持ちが空回り

桃田賢斗が1次リーグ敗退、不覚の幕切れ

男子シングルス1次リーグ、ポイントを奪われる桃田賢斗=28日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(時事)

 盤石とみられていた世界王者に「まさか」が訪れた。世界ランキング1位の桃田が38位の韓国選手にストレートで屈する波乱。得意のヘアピンがネットにかかり、敗北が決まった。「ああ、終わってしまったな」。初の五輪の舞台は1次リーグ2試合で幕。コートにしゃがみこみ、ショックを隠せない様子だった。

 順調にリードを奪っていた第1ゲーム途中で異変が起きた。本来なら相手のコート奥に返すショットが浅くなり、許侊熙に高い打点から強打を浴び続けた。「気持ちで押されてしまった。余裕がなくてプレーが縮こまってしまった」と振り返る。

 第1ゲームを落として立て直しを図ったが、揺らいだ自信はついに取り戻せなかった。「狙われているのは分かっていた」のに、つなぎのショットが甘く入って強烈なスマッシュを許した。「相手が決めにくるのをしっかり返して、長い試合に持っていくのが自分のスタイル」。そう話していた通りの卓越した「ラリー力」はそこになかった。

 メダル候補だった2016年リオデジャネイロ五輪は、違法賭博関与が発覚して自ら出場の道を閉ざした。多くの苦難を乗り越えてたどり着いた「憧れの舞台」(桃田)で、支えてくれた人たちに感謝の気持ちを示すつもりだった。「負けたくない、勝ちたい気持ちが強過ぎて、空回りしてしまったところもある。まだ緊張感を味わいたかった」。声を詰まらせ、東京五輪の主役候補の夏が終わった。