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ドイツ総選挙投票まで2カ月、洪水が波乱要因に


異常気象への注目で緑の党有利か、今後の災害対応が影響へ

ドイツ総選挙投票まで2カ月、洪水が波乱要因に

ドイツの洪水被災地で記者会見するメルケル首相=20日、西部ノルトライン・ウェストファーレン州バート・ミュンスターアイフェル(AFP時事)

ドイツ総選挙投票まで2カ月、洪水が波乱要因に

ドイツの洪水被災地で記者会見するメルケル首相=20日、西部ノルトライン・ウェストファーレン州バート・ミュンスターアイフェル(AFP時事)

ドイツ総選挙投票まで2カ月、洪水が波乱要因に

洪水で被災したドイツ西部とベルギー(時事)


 
 9月26日投票のドイツ連邦議会(下院)選挙まで約2カ月。7月半ばに、ドイツを中心に欧州を襲った記録的豪雨と洪水が、総選挙の波乱要因となっている。異常気象と気候変動への注目が、初の首相ポスト獲得を狙う緑の党を利すると予想する見方がある一方、復興支援でメルケル首相の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の支持率が上がると期待する観測も浮上。今後数週間の災害対応が選挙結果を大きく左右しそうだ。

 ドイツの死者は23日時点で約180人。河川の氾濫で家々が押し流されるなど甚大な被害をもたらし、自然災害が少ないドイツでは「100年に1度の災害」とされている。西部ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州では、平年の7月の月間降水量の倍に当たる158ミリが、24時間で降り注いだ地域もあった。

 集中豪雨の原因は、地球温暖化でジェット気流の勢いが弱まり、低気圧がドイツ上空で停滞したためと分析する見方が主流。気候変動対策への注目度が一段と高まるのは必至だ。

 各種世論調査での支持率は、CDU・CSUが約30%と1位で、緑の党が約10ポイント差で追う2位。ここ数週間低調だった緑の党の支持率は洪水後下げ止まり、CDU・CSUなしで左派中心の連立政権を組める水準に踏みとどまった。

 ただ、緑の党が声高に気候変動と災害を結び付ければ「災害の政治利用」と批判を招きかねない。緑の党のベーアボック首相候補は、記者を連れず被災地入りし、復興や被災者支援を重視する発言を行うなど慎重な行動に終始している。

 対するCDU・CSUのラシェット首相候補はNRW州首相でもある。救助や復興の陣頭指揮を取れる強みがある。ただ、被災地訪問時に笑っている映像をすっぱ抜かれ「不適切だった」と謝罪に追い込まれた。メルケル氏の後任をめぐる争いは、被災地ですでに始まっている。(ベルリン時事)