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文化審議会が答申、蒙古襲来絵詞などを国宝に


宮内庁保管で初、「価値をわかりやすく示すべき」提案受け

文化審議会が答申、蒙古襲来絵詞などを国宝に

国宝に指定される鎌倉時代の絵巻物「蒙古襲来絵詞」(宮内庁提供・時事)

文化審議会が答申、蒙古襲来絵詞などを国宝に

国宝に指定される鎌倉時代の絵巻物「春日権現験記絵」の一部分(宮内庁提供・時事)

文化審議会が答申、蒙古襲来絵詞などを国宝に

国宝に指定される狩野永徳の「唐獅子図屏風」(宮内庁提供・時事)

 文化審議会(佐藤信会長)は16日、鎌倉時代の絵巻物「蒙古襲来絵詞」や安土桃山時代の画家、狩野永徳の「唐獅子図屏風」など、絵画4件と書跡1件を国宝に指定するよう文部科学相に答申した。宮内庁三の丸尚蔵館(東京都千代田区)に収蔵されており、同庁が保管する美術工芸品が国宝や重要文化財に指定されるのは初めて。

 蒙古襲来絵詞は、1274年と81年の元寇(げんこう)に出陣した肥後国の御家人、竹崎季長を描いた軍記絵。モンゴル帝国拡大をめぐる出来事を同時代に描いた絵画は世界的にもまれという。唐獅子図は、2頭の唐獅子が悠然と歩く様子が力強い筆致と明快な彩色で描かれ、この時期の文化を代表する優品として極めて高く評価された。

 他に指定される絵画は、鎌倉時代の絵巻物「春日権現験記絵」と、江戸時代の画家伊藤若冲の花鳥画「動植綵絵」。書跡は、平安中期の書家小野道風の「屏風土代」。

 春日権現験記絵は、絹地に中世の人々の信仰や生活が描かれている。2004年から17年まで行われた修復事業では、上皇后陛下が皇后時代に皇居内の養蚕所で育てた純国産種の蚕「小石丸」の繭糸が使われた。

 三の丸尚蔵館は、昭和天皇の逝去に伴い国に寄贈された美術品などを保管・展示するため、1993年に皇居内に開館。香淳皇后や皇族方ゆかりの品を合わせ、約9800点を収蔵する。宮内庁の有識者会議が「価値を分かりやすく示すべきだ」と提言したのを受け、文化財保護法に基づく国宝などの指定を検討していた。同庁は今後、地方美術館への収蔵品貸し出しを積極的に進める方針。