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「何か手伝えることを」被災男性が高齢者の足に


路線バスも入れず、高橋さんが弁当や日用品などを配布

「何か手伝えることを」被災男性が高齢者の足に

高橋一美さんらのボランティアグループが配る弁当を笑顔で受け取る谷川久美子さん=14日午後、静岡県熱海市(時事)

 土石流災害が発生した静岡県熱海市伊豆山地区では、発生から2週間を経ても車両の立ち入りが規制され、路線バスも入れない状態が続く。家屋に大きな被害がなかった高齢者らも、食事や買い物などに不便を強いられている。「何か手伝えることはないか」。住人の高橋一美さん(44)は自ら被災しながら、高齢者のために弁当や日用品などを届ける活動をしている。

 伊豆山地区を襲った土石流は、高橋さん宅の1階部分を天井近くまで埋めた。消防隊員らと共に土砂をかき出した後、近所の被害状況を見て回ると、避難せず自宅にとどまる高齢者が多いことに気付いた。「不便だろう。自分にできることはないか」と考え、翌日から支援を始めた。

 高橋さんは弁当や総菜の製造会社を経営しており、業務用の調理場を使っておにぎりを手作りし、ぬかるんだ足元に気を付けながら徒歩で20~30軒に配達した。自治体が用意した弁当が確保されてからは、他の自営業者らと共にボランティアグループをつくり、弁当を配布したり、要望を聞き取って日用品を届けたりしている。弁当を受け取った谷川久美子さん(77)は「毎日大変な坂を上って来てくれて助かる」と笑顔を見せた。

 15日からは伊豆山地区から湯河原駅へ向かう臨時バスの運行が始まった。ただ、バスの発着所までは約2キロの坂道をたどらなければならず、高齢者にはきつい道のりだ。高橋さんは「まだまだ支援していかないと」と力を込めた。