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無許可で軍用ドローン部品を中国に輸出未遂


東京税関の検査で発覚、外為法違反容疑で業者を書類送検

 

無許可で軍用ドローン部品を中国に輸出未遂

精密機器メーカー「利根川精工」が開発し、無許可で中国企業に輸出しようとしたモーター(利根川精工ホームページより・時事)

 軍用ドローン(小型無人機)などに転用できる高性能モーターを経済産業相の許可を得ず中国企業に輸出しようとしたとして、警視庁公安部は6日、外為法違反(無許可輸出未遂)容疑で、精密機器メーカー「利根川精工」(東京都大田区)と坂東治夫社長(90)を書類送検した。公安部は認否を明らかにしていない。

 送検容疑は昨年6月15日、軍事転用可能なモーター150個(計495万円相当)を無許可で中国の航空電子機器メーカーに輸出しようとした疑い。

 公安部によると、モーターは輸出先のメーカーを経由して別の中国企業に送られる予定だった。この企業の親会社は中国人民解放軍と取引があったとみられる。利根川精工は、モーターが農薬散布用ヘリコプターに搭載されると認識していたという。

 東京税関の検査で不正が発覚。利根川精工は経産省から輸出許可が必要との通知を受けていたのに、税関に許可は不要とする虚偽の申告をしていた。

 同社は従業員数人の有限会社で、2006年以降、中国やアラブ首長国連邦(UAE)などにモーター計約1万1000個を輸出。14年以降、少なくとも約3億4000万円を売り上げていた。

 国連の報告書によると、モーターは16年にアフガニスタンで墜落したイラン製無人機や、19年にアラビア海で差し押さえられた兵器にも使われていた。利根川精工は18年、内戦が続くイエメンの企業にモーターを輸出したが、経由地のUAEで押収された。