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逆三角形に大きく削れた山肌、折り重なる家々


伊豆山の被災現場上空から撮影、土石流の痕跡が生々しく

逆三角形に大きく削れた山肌、折り重なる家々

土石流が起きた静岡県熱海市の伊豆山地区=5日午後(時事通信ヘリより・時事)

 逆三角形に大きく削れた山肌、山あいをうねりながら住宅地へ殺到した大量の土砂-。静岡県熱海市の伊豆山地区で発生した土石流災害で、約130棟の建物が被害に遭った現場上空を5日午後、ヘリコプターで飛んだ。

 午後2時ごろ熱海市上空に近づくと、群青色の海は流れ込んだ土砂で茶色く濁っていた。土石流は全長約2キロにわたって蛇行しており、空からでも全体が一望できないほどの規模。山間部から流れ落ちた土砂の帯は住宅地を縫うように走り、住まいや人の営みを丸ごとのみ込んで、新幹線が走る線路の近くまで迫っていた。

 少し山側では、押し流された3軒の家屋が、別の家にもたれかかるようにして崩れており、数十人の捜索隊が救助活動を続けていた。幅100メートルほどの土砂の帯の中央辺りには泥水がざばざばと勢いよく流れ、周囲には無数の岩が河川敷のように転がっている。

 土石流の直撃を受ける様子を撮影した動画がツイッター上に投稿されていた赤茶色の集合住宅は、山側の壁面が2~3階部分まで土砂に覆われていた。冷蔵庫やドアといった家の残骸、乗用車などが重たく湿った土砂とともに堆積し、周辺にあったはずの家屋や車道は跡形もなくなっていた。

 盛り土が崩壊したとみられている土石流の発生地点では、真上から彫刻刀を振り下ろしたように山肌が逆三角形に鋭く削れ、広範囲にわたって茶色い地肌をさらしている。流出した土砂は約10万立方メートルと推計されており、周囲の木々をのみ込みながら、急傾斜を駆け下った様子がありありとうかがえた。