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横田滋さんの一周忌、時は無情「本当に悲しい」


遺骨を抱きしめてくれたら、妻の早紀江さんが心境を語る

横田滋さんの一周忌、時は無情「本当に悲しい」

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父、滋さんの一周忌を前に、遺影を手に撮影に応じる早紀江さん=5月28日、川崎市川崎区(時事)

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さんが87歳で死去してから5日で丸1年。妻早紀江さん(85)は一周忌を前に報道各社のオンライン取材に応じ、「時は結果が出ないまま流れていく。本当に悲しいことです」と心境を語った。

 1977年11月にめぐみさんが拉致され、滋さんは拉致被害者の「家族会」初代代表として、救出を訴える講演や署名活動に半生をささげた。早紀江さんはこの1年、自宅の居間にある滋さんの遺影に毎朝語り掛けてきたという。「『お父さんおはよう、一緒にお祈りしようね』と言って、北朝鮮にいるめぐみちゃんたちの健康を毎日お祈りしています」。遺影の隣には、めぐみさんの写真が寄り添うように置かれている。

 入院生活が長かったことを思い、滋さんの遺骨を今も自宅に安置している早紀江さん。納骨の時期を決めかねており、「お父さんはめぐみちゃんを抱きしめたいと思って頑張っていたんだけれど、できなかった。めぐみちゃんが早く帰ってきて、遺骨を抱きしめてくれたらといつも祈っています」と話す。

 早紀江さんは5月下旬に新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を受け、現在体調に大きな問題はない。ただ、「散歩や家事をして体を動かすよう心掛けているが、だんだん前のように活発に動けなくなった」とも話し、「早く解決してほしい」と拉致問題の進展に願いを込めた。