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「関係悪化の今こそ両国の文化交流の場を」


日本文化情報誌「BOON」、韓国で発刊に歓迎の声

「関係悪化の今こそ両国の文化交流の場を」

雑誌「BOON」の呉錫哲編集長(左)と編集担当の朴三憲・建国大副教授=5日、ソウル市内(時事)

 日本文化に関する情報を提供する隔月誌「BOON」(RHK出版)がこのほど、韓国で発刊された。日韓関係が冷え込む中でのスタートだが、呉錫哲編集長は「文化を楽しむ大衆層の意識がしっかりしていれば、政治的問題に簡単には揺さぶられない」と話している。

 「BOON」は「愉快な」を意味する英語で、日本語の「文」の発音にもかけている。村上春樹ら日本の一部作家は韓国でも人気が高いが、日本文化コンテンツの情報を総合的に提供する雑誌はこれまでなかった。編集に関わる朴三憲・建国大副教授は「両国の文化交流の場をつくりたかった。両国関係が悪化しているので、創刊を遅らせようとも思ったが、こういう時こそやるべきだと考え直した」と語る。

 創刊号は作家の東野圭吾、アニメの宮崎駿監督らに関する論評のほか、日本の小説新潮の協力で樋口有介の小説「金魚鉢の夏」を掲載。さらに日本の人気ドラマ「半沢直樹」と韓国の人気漫画「未生」の主人公サラリーマンの比較や、植民地支配が残した日本文化といった踏み込んだ企画もある。

 呉氏は「日本文化の魅力は多様性。オタク文化もそうだが、なぜそこまでこだわるのかという作品をつくる。こうした感性が、若干の時差を置き、韓国でも受け入れられるようになっている」と指摘。「韓国で『日流』が広がり、日本では『韓流』が広がった。これまでは別々の動きだったが、互いに刺激し合って新しい文化を生む『環流』を目指したい」と意欲的だ。

 読者は20~30代が中心。日韓関係が冷え込む中での創刊に「なぜこの時期に」といぶかる声もあるが、「こんな雑誌があったらいいと思っていた」と歓迎する声が多いという。朴氏は「今のところ逆風はほとんどない。むしろ逆風を受けるぐらいに存在感を高めたい」と意気込んでいる。(ソウル時事)