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リコール不正、「中国で人集め」を持ち掛けか


事務局長の田中容疑者ら逮捕1週間、手口徐々に明らかに

リコール不正、「中国で人集め」を持ち掛けか

リコール不正署名事件で逮捕され、愛知県警中村署から送検される田中孝博容疑者=20日、名古屋市中村区(時事)

 愛知県の大村秀章知事の解職請求(リコール)運動をめぐる不正署名事件で、リコール団体事務局長の田中孝博容疑者(59)ら4人が地方自治法違反(署名偽造)容疑で逮捕され、26日で1週間。当初、中国などでアルバイト募集が計画されるなど、偽造の手口や経緯が次第に明らかになってきた。県警は田中容疑者が主導したとみて捜査を続ける。

 「中国か韓国で人を集められないか」。関係者によると、田中容疑者は昨年10月上旬、名古屋市の広告関連会社に、こう持ち掛けた。同市から遠く離れた国外でのアルバイト集め。同社側は断ったが、田中容疑者は「北海道や九州はどうか」と食い下がった。

 新型コロナウイルスが各地でまん延していた時期。同社は、人を集めて作業できる会場が確保できた佐賀市でアルバイトを募ることにした。

 リコール団体の会計責任者、渡辺美智代容疑者(54)が名古屋市の印刷会社に白紙の署名簿を追加発注したのは、会場が決まったのとほぼ同時期だ。佐賀市に運び込まれた署名簿は追加分を含め、計約11万枚。偽造現場に持ち込んだのは、田中容疑者の妻なおみ(58)、次男雅人(28)両容疑者とみられている。

 10月下旬に始まった「代筆業務」は2回延長され、計12日間に及んだ。アルバイトに直接指示を出していたのは雅人容疑者で、偽造署名簿を名古屋市に持ち帰ったのも同容疑者だったという。

 県選挙管理委員会が有効とは認められないと判断した署名は約36万人分。世帯ごとにまとまっていたり、住所の番地順に並んでいたりした部分もあり、「選挙人名簿を書き写したのでは」との指摘も出ている。県警は元となった名簿の入手経路などについても解明を進めているもようだ。