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ダイアナ元妃を欺いて取材、英独立調査を公表


結婚生活の破綻を告白したBBCの報道、「隠蔽」を認定

ダイアナ元妃を欺いて取材、英独立調査を公表

故ダイアナ元英皇太子妃=1996年3月、ロンドン(AFP時事)

 故ダイアナ元英皇太子妃がチャールズ皇太子との結婚生活の破綻を告白した1995年のBBC放送のインタビューをめぐり、取材方法に不正があったかどうかを調べる独立調査の報告書が20日公表された。報告書は、担当記者が元妃を欺いてインタビューを取り付け、BBCも適切な対応を取らず事実の隠蔽(いんぺい)につながったと認定。BBCは「完全かつ無条件に謝罪する」(デビー会長)と表明した。

 調査はBBCの依頼でジョン・ダイソン元判事が実施した。報告書によると、BBCのマーティン・バシール元記者は、王室職員らが元妃の情報を流す見返りに金銭を受け取っていたことなどを示す銀行の明細書を偽造。これを元妃の弟スペンサー伯爵に見せて信頼を得ると、元妃を紹介してもらいインタビューを実現させた。

 BBCは96年の内部調査で「不正はなかった」としていた。しかし報告書は、BBCがスペンサー伯爵に真相を尋ねず事実関係の確認を怠るなどし、結果的に「事実の隠蔽」が行われたと指摘。「バシール氏は(公正な報道に努めるという規定への)重大な違反を犯した」と断じ、内部調査についても「全く役に立たないものだった」と糾弾した。

 元妃は95年11月放映のインタビューで、自分の結婚生活には「3人がいた」と語り、皇太子とカミラ現夫人の愛人関係を暴露。自身の不倫も明かすなど、世界に衝撃を与えた。

 元妃の長男ウィリアム王子は「母は悪辣(あくらつ)な記者だけでなく、BBCの上層部にも裏切られた」と述べ、インタビューは元妃の「恐怖心と妄想、孤立」を助長したと批判した。次男ヘンリー王子も「(メディアの)搾取の文化と道義に反する行動」が元妃の死を招いたと非難した。

 一方、健康上の理由でBBCを先週退職したバシール氏は「自分の行動を深く後悔する」としつつも、元妃がインタビューを受ける判断に影響は及ぼさなかったと主張した。(ロンドン時事)