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演劇と同時進行で制作、シニアのリアルな姿


映画版「光の速さ」、5月31日までYouTubeで公開中

演劇と同時進行で制作、シニアのリアルな姿

映画版「光の速さ」の一場面

 能楽師の夫に先立たれたチヨコは、息子によって取り壊されそうになっていた能楽堂を守ろうとしていた。

 そんなある日、アルゼンチンの演出家マルコ・カナーレと出会い、ある演劇プロジェクトに参加することに。チヨコは、同年代の出演者や演出家と共に創作していく中で自身のみならず、お互いの心を見詰め直すものとなっていった。

 映画版「光の速さ」は、フェイク・ドキュメンタリーと言われるもので、5月22日公演予定の演劇「光の速さ-The Speed of Light」の制作と並行して撮影された。

 現在、YouTubeで公開中。上映期間は5月31日まで無料で視聴できる。監督は、映画にも出演しているアルゼンチンの演劇、映像作家でもあるマルコ・カナーレで台本も担当した。死や死後の世界をテーマに複雑に交差する東京を舞台とした物語の展開となっている。

 ユニークなのは、プロの出演者はおらず同じあらすじの演劇作品の制作と稽古の風景を撮影したもので、出演者たちのリアルなシニアたちの姿や舞台では作ることができない自然のロケーションを使い映像作品として仕上げている。時折入るアルゼンチンの音楽が日本での撮影にもかかわらず、エキゾチックでユニークな世界観を生んでいた。

 もともと、この映像作品は、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京が主催するTokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13の一つとして企画された。東京オリンピック・パラリンピック開催を文化面から盛り上げようと多彩な文化プログラムが展開されている。

 撮影は2019年から20年3月にかけて行われた。当時、新型コロナウイルスが流行し始めた頃で感染対策も取られた。

 問い合わせは『光の速さ』公演事務局 (電)03(4213)4292。

(佐野富成)