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息吹き返す日治時代の文化力 台南・林百貨店


民進党市政でリノベーション成功
次期新政権の景気浮揚策に光 台湾

 台南市中心部の目抜き通り、日本統治時代には「銀座通り」と呼ばれた末広町(当時)に昭和のレトロな近代建築が残る。日本橋高島屋や日本橋三越のような佇まいで鉄骨6階建ての日系デパートだった林百貨店だ。昨年6月にリニューアルオープンして賑わいを見せ、夜はライトアップされ、多くの若者たちが夜景を三脚でカメラ撮影する姿が目立つ。

 「林百貨は戦時中、米軍の空爆被害を受け、戦後は製塩工場、空軍寮、警察の派出所に使われました。80年代から空きビルになり、リニューアルを待ち望む声が強まった」と台南観光協会スタッフで母親が岐阜県出生の謝静如さんは話す。

 林百貨店は山口県出身の経営者、故・林方一氏が昭和7年(1932)12月に創立した日本の百貨店で「ハヤシ百貨店」との呼び名でも親しまれていたが、日本の敗戦で廃業。その後、国民党による長期統治を経て2010年末、民進党の親日派(東日本大震災後の12年に仙台市長を慰問)である頼清徳氏(56)が台南市長に就任して以降、百貨店リニューアルの動きが本格化した。

 頼市長の陣頭指揮で台南市と文化部が8000万台湾元(約2億7000万円)を投じて2010年から3年かけてリノベーションによる修復を終え、昨年6月末からのリニューアルオープンし、一般公開では2カ月間で10万人が訪れる人気ぶり。

 昨年6月のオープン式典では頼市長や林百貨店創業者である林方一氏の次男で二代目・林二郎氏の妻・林千恵子さんなど親族も参加。頼市長は「台南は文化首都としてソフトパワーの発信源となり、林百貨店は新ランドマークとして台南の文化観光拠点になってほしい」と語っている。

 店内は台南風建築と昭和時代の最先端建築の融合がレトロで洗練された雰囲気を醸し出し、商品一つひとつにもにじみ出る。4階までが売場、5階にレストランがあり、日本のおでんがコンビニ価格程度で食せるのが魅力。1階には京都の宇治茶・アイス専門店も出店し、屋上階6階には展望台と屋上庭園、日本式神社もあり、まるで昭和初期にタイムスリップした感覚に陥るほどだ。台南は台湾の伝統文化を最も色濃く残し、観光の文化発信力が林百貨店の復活で新たな実験段階を迎えている。

台南・深川耕治


 台南市中心部の目抜き通り、日本統治時代には「銀座通り」と呼ばれた末広町(当時)に昭和のレトロな近代建築が残る。日本橋高島屋や日本橋三越のような佇まいで鉄骨6階建ての日系デパートだった林百貨店だ。昨年6月にリニューアルオープンして賑わいを見せ、夜はライトアップされ、多くの若者たちが夜景を三脚でカメラ撮影する姿が目立つ。

 「林百貨は戦時中、米軍の空爆被害を受け、戦後は製塩工場、空軍寮、警察の派出所に使われました。80年代から空きビルになり、リニューアルを待ち望む声が強まった」と台南観光協会スタッフで母親が岐阜県出生の謝静如さんは話す。

 林百貨店は山口県出身の経営者、故・林方一氏が昭和7年(1932)12月に創立した日本の百貨店で「ハヤシ百貨店」との呼び名でも親しまれていたが、日本の敗戦で廃業。その後、国民党による長期統治を経て2010年末、民進党の親日派(東日本大震災後の12年に仙台市長を慰問)である頼清徳氏(56)が台南市長に就任して以降、百貨店リニューアルの動きが本格化した。

 頼市長の陣頭指揮で台南市と文化部が8000万台湾元(約2億7000万円)を投じて2010年から3年かけてリノベーションによる修復を終え、昨年6月末からのリニューアルオープンし、一般公開では2カ月間で10万人が訪れる人気ぶり。

 昨年6月のオープン式典では頼市長や林百貨店創業者である林方一氏の次男で二代目・林二郎氏の妻・林千恵子さんなど親族も参加。頼市長は「台南は文化首都としてソフトパワーの発信源となり、林百貨店は新ランドマークとして台南の文化観光拠点になってほしい」と語っている。

 店内は台南風建築と昭和時代の最先端建築の融合がレトロで洗練された雰囲気を醸し出し、商品一つひとつにもにじみ出る。4階までが売場、5階にレストランがあり、日本のおでんがコンビニ価格程度で食せるのが魅力。1階には京都の宇治茶・アイス専門店も出店し、屋上階6階には展望台と屋上庭園、日本式神社もあり、まるで昭和初期にタイムスリップした感覚に陥るほどだ。台南は台湾の伝統文化を最も色濃く残し、観光の文化発信力が林百貨店の復活で新たな実験段階を迎えている。

台南・深川耕治

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