世界日報 Web版

人間の本性と情報化社会の限界性


加藤 隆

名寄市立大学前教授 加藤 隆

 トルストイに『人は何で生きるか』という作品がある。傲慢な金持ちが靴職人である主人公の店にやってきて、持参した皮を渡しながら上等の長靴を作るように命じる。天意に通じているこの靴職人は、要望に反してスリッパを作ってしまうのだが、金持ちは帰りの馬車の中で心臓か何かで突然に亡くなり、結局は遺体に履かせるスリッパ作製が相応(ふさわ)しかったという落ちである。我々は一分先の運命も分からないのに傲慢になるなかれと諭している。

真知から見た人間の姿


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
新規会員登録へ
ログインへ