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出生率低下、未婚率の上昇を抑えたい


 厚生労働省が公表した2018年の人口動態統計によれば、1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す「合計特殊出生率」は1・42で、前年を0・01ポイント下回り、3年連続で低下した。

 少子化やそれに伴う人口減少は国力の衰退にもつながりかねない。対策は国民的課題だと言える。

人口減少がさらに加速

 出生数は91万8397人で3年連続で過去最少を更新し、死亡数は戦後最多の136万2482人だった。死亡数から出生数を差し引いた自然減は44万4085人と初めて40万人を上回り、人口減少のさらなる加速が浮き彫りとなった。

 政府は、若者が希望通りに結婚し、望む数の子供を持てた場合の「希望出生率」を1・8まで引き上げる方針だ。しかし、このままでは目標達成はおぼつかない。

 出生率が全国で最も低かったのは東京で、1・20だった。一方、地方から東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)への人口流入は止まらず、18年の東京圏への転入超過は若者を中心に約14万人に上った。出生率の低い東京への一極集中が、人口減少の原因の一つだと言えよう。

 政府は15年から「地方創生」の総合戦略に取り組み、東京圏と地方の人口移動を20年までに均衡させることを目指している。移住・定住者の受け入れや産業振興といった各自治体の施策を地方創生推進交付金などで後押ししてきたが、今のところ十分な成果は出ていない。

 このため、政府の有識者会議(座長・増田寛也元総務相)は、20年までの転入超過解消は難しいとして期限の先延ばしを要請。一極集中の是正に向け、都市住民がボランティアや副業などを通じて継続的に地方に関わる「関係人口」の拡大などを提言している。地方の魅力を高める取り組みを息長く進めていくことが求められる。

 統計によれば、18年に結婚したカップルは戦後最少の58万6438組で、平均初婚年齢は男性31・1歳、女性29・4歳。女性の第1子出産時の平均年齢は30・7歳だった。1985年と比べると、男性は約3歳、女性は約4歳も上昇している。少子化の原因ともなる晩婚化が進んだのは、男女の出会いの機会が減少したことが大きい。

 かつて日本では、結婚の7割が見合いによるものだった。しかし、60年代後半に恋愛結婚が見合い結婚を上回り、このことが50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」の90年代以降の上昇につながった。生涯未婚率は2015年、男性が23・37%、女性が14・06%となっている。

 政府は、結婚を希望する男女のために「婚活」事業を行う地方自治体や企業を支援をしている。少子化を抑制するには、こうした男女の出会いの場を増やすことも大切だろう。

結婚の素晴らしさ伝えよ

 一方、結婚しない理由として「自分の自由になる時間やお金が少なくなる」「趣味やレジャーを楽しみたい」などを挙げる人も少なくない。

 結婚の素晴らしさや育児の喜びなどを特に若い人たちに伝えていきたい。