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13年の日本、活気が戻り来年へ期待膨らむ


 「来年こそよい年に変えたい」。毎年そう願いながら、日本はこの十数年間、デフレ経済から抜け出せないまま社会全体を覆う閉塞(へいそく)感の中で年末を迎えてきた。

 それが今年は「この勢いを来年も」のムードで、年末の心象も明るい展望に一変した。

20年東京五輪開催が決定

 本紙国内10大ニュースの1位は「2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催決定」の明るい予祝的ニュースである。五輪の東京開催は1964年以来56年ぶり、2度目。同じ都市の2回以上開催はアジアで初、世界ではパリ、ロンドン、ロサンゼルス、アテネに続く5都市目となる。

 五輪の肥大化が問題となる中で、昨年のロンドン五輪が示したエコに「おもてなし」の心を加え、創意工夫をこらした「世界一コンパクトな大会」を実現して2回目開催にふさわしい実りを上げたい。

 もう一つの予祝的ニュースは、日本そのものを象徴する「富士山が世界文化遺産、和食が無形文化遺産に登録」(4位)である。富士山については、その美しさだけでなく、信仰と芸術の対象となり、西洋芸術の発展にも顕著な影響を与えたことが認められた上に、諮問機関イコモスの除外勧告を覆して三保松原(静岡市)を含めての登録となったことの意義は大きい。

 日本オリジナルの美的感覚による主張が世界の基準に適ったからである。また健康的な自然食で、かつ美しい彩りが特色の和食も、世界に誇れる独創性に富む伝統文化として、経済大国だけでない日本の新しいイメージづくりを押し上げていくことだろう。

 2位は、東京都議選の圧勝に続く「参院選で自公『安定多数』」である。「ねじれ国会」が解消し、安定基盤を得た第2次安倍政権は経済再生を柱に、特定秘密保護法の成立や国家安全保障会議(日本版NSC)設置(6位)など普通の国となるための年来の課題に本腰を入れて取り組めるようになった。

 経済再生では、3月に就任した黒田東彦(はるひこ)総裁の日銀が異次元の思い切った量的・質的緩和を行うなど金融政策を大転換したことが功を奏し、日経平均株価が年末に1万6000円台に乗るなどアベノミクスが前進。デフレ脱却に動きだした(3位)。経済の好転、政治の安定を背景に国論が割れていた環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に踏み切り、改めて日米関係重視を基本とする外交姿勢を示した(5位)。

 安倍晋三首相は政権発足から1年の節目に、困難を乗り越えて靖国神社参拝も果たした(7位)。靖国参拝以前から敵意むき出しの中韓両国との関係に課題は残るものの、安倍政権になって「決められる政治」を印象付けた一年でもあったと言えよう。

 閉塞感打ち破った一年

 東京都の猪瀬直樹知事の辞職(8位)、中国が沖縄県・尖閣諸島を含む防空識別圏を設定したことによる日中間の緊張(9位)、死者36人と不明者3人を出した伊豆大島の土石流災害(10位)などもあったが、総じて日本に活気が戻り、引き続き来年への期待が膨らむ一年であった。

(12月31日付社説)