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ブロック塀調査、学校の危険を放置するな


 大阪北部地震で小学生がブロック塀の下敷きとなり死亡した事故を受け、文部科学省が全国の学校の安全状況を緊急調査したところ、約4分の1に当たる1万2652校で危険な塀があることが分かった。

 全国の1万校以上で問題

 調査結果によれば、高さが2・2㍍を超えるなど建築基準法施行令に適合しない塀があったのが1万804校、劣化や損傷が見られたのは7484校に上った。もともとブロック塀のない学校が全体の60・1%を占めているため、ブロック塀のある学校のうち6割以上に問題があったことになる。

 問題が見つかった学校のうち約8割の1万140校で発覚後に撤去するなどの応急的な対策を講じていた。しかし、残りの2割は何の対策も実施していなかった。

 すぐに撤去するのが難しければ、張り紙で注意喚起するなど早急に対処すべきだ。今回の調査で問題がなかった学校でも、塀内部の鉄筋の点検などが求められる。

 大阪北部地震では、大阪府高槻市の小学校で小学4年の女児が、プール沿いに設けられたブロック塀の下敷きとなって死亡した。

 このブロック塀は1・9㍍の高さがある基礎部分の上に後から1・6㍍積み増した構造で、上積みした部分が約40㍍にわたって崩落した。

 高槻市では地震後に市内の全小中学校で緊急調査を行い、29校の危険なブロック塀を撤去するなど対策が進んでいる。だが、全国の学校で危機感が共有されているとは言えない。

 この背景には、阪神大震災や東日本大震災を受け、校舎本体の耐震化が優先的に進んだことがある。耐震化はもちろん重要だが、危険なブロック塀が放置されたままでは被害を防ぐことはできない。学校は災害時に避難所となることを忘れてはならない。

 ブロック塀の高さが2・2㍍以下に制限されたのは、1978年に発生した宮城県沖地震による死者28人のうち、ブロック塀で亡くなったのが同県で9人に上ったからだ。81年にそれまで許容していた高さ3㍍から厳しくした。ブロック塀の厚さを15㌢以上(高さ2㍍以下の場合は10㌢以上)とし、支えとなる「控え壁」を3・4㍍以下の間隔で設置することなども求めている。

 ただ、規制強化前に建てられたブロック塀については基準がさかのぼって適用されず、その当時の法律に適合していれば違法とはならない。このことが対策が進まない理由の一つにもなっている。

 文科省は撤去・改修を後押しするため、現行の国の補助制度を活用しながら、来年度予算概算要求で必要経費の確保に努める。学校の安全維持のため、対策を急ぐ必要がある。

 災害時の安全確保を

 ブロック塀に関しては国土交通省も、自治体が指定する避難路沿いのブロック塀の所有者に対し、耐震診断の義務化を検討する方針だ。

 学校だけでなく地域全体で災害時の安全確保に努めることが求められる。