世界日報 Web版

河野統幕長発言、問題視すべきものではない


 自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が日本外国特派員協会で記者会見を行った時の発言を、一部メディアと野党が批判している。安倍晋三首相が3日の憲法記念日に「憲法9条に自衛隊を明記する」と表明したことへの感想を求められた河野統幕長は「非常にありがたい」と述べた。

 朝毎のあきれた批判

 普通に聞けば、何ら問題視すべき発言ではない。さらに言えば「憲法という非常に高度な政治問題なので、統幕長という立場から申し上げるのは適当ではない」とし、「一自衛官(公務員)として申し上げるなら」と断った上で「非常にありがたい」と述べており、批判される理由などどこにもないはずだ。

 菅義偉官房長官は、河野統幕長の発言は「あくまでも個人の見解」であり、まったく問題はないと述べている。稲田朋美防衛相も「個人の見解で政治的意図はない」と説明した。

 しかし、朝日新聞は「軽率すぎる」「軽はずみ」などと批判。毎日新聞に至っては「『個人の見解』と断れば、何を言っても許されるのか?」とした上で、憲法学者の「憲法99条の公務員の憲法尊重擁護義務にも抵触しかねない」というコメントを掲載した。

 両紙の河野統幕長への批判は、いまだに自衛隊に対する偏見と差別に満ち溢(あふ)れた報道そのものだ。日ごろから「言論の自由」をことさらに強調する両紙だが、自衛官にはこの自由を認めないのか。自分たちに都合が悪い時だけ「言論の自由」を振りかざす態度は傲慢(ごうまん)以外の何ものでもない。

 野党にも同じことが言える。野党第1党の民進党の蓮舫代表は「望ましいとは決して思わない。厳に慎むべきだ」と批判。共産党の小池晃書記局長は「自衛隊の憲法明記を『ありがたい』と発言したのは重大で、辞職すべきだ」と述べた。

 社民党は吉田忠智党首の名前で、党のホームページに「『一自衛官として』ではすまされず、かつて自衛隊が超法規的行動を取り得ると発言して更迭された栗栖弘臣統幕長に匹敵するきわめて重大な発言です」という声明を発表。まるで鬼の首でも取ったかのような態度だ。

 一方、陸上自衛官出身で防衛相を経験した自民党の中谷元氏は、衆院憲法審査会で「自衛官も国民の一人で、言論の自由がある。一部の憲法学者や政党から憲法違反といわれ、否定され続けてきた。現場で仕事をしている人としては適切な発言で、何ら問題はない」と訴えた。

 国民からの高い信頼

 自衛隊は「税金泥棒」と言われたり、自衛官の子供が学校で差別を受けたりする時代が長く続いた。だが近年、国連平和維持活動(PKO)をはじめとする国際貢献や、災害派遣での活躍などにより、国民から高い信頼を得ている。実際、内閣府が実施している「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」によると、自衛隊を非常に頼りになる存在と認めている国民が9割を超えている。

 このような状況の中で、一部メディアや野党のスタンスが、多くの国民から受け入れられるとは到底思えない。