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米中首脳会談、北への圧力強化で協調せよ


 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が6、7日に初の首脳会談を行う。

 トランプ大統領は習主席に、国連安保理決議に基づく対北朝鮮経済制裁の徹底した履行を強く求めるべきだ。

 弾道ミサイルを発射

 北朝鮮が東部の新浦から日本海に向け、弾道ミサイル1発を発射した。米中首脳会談を前に、ミサイル能力を誇示する狙いとみられているが、核・ミサイル開発で周辺国を脅かすことは許されない。

 トランプ政権は北朝鮮への対応を「最大の外交課題」と位置付けている。「過去20年間、失敗したアプローチを取ってきた」と表明し、武力行使や体制転換を含む「あらゆる選択肢を検討する」としている。外交・安全保障という国の根幹に関わることは、立場を鮮明にしなければならない。

 一方、中国外務省は今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射について「関係各国は自制を保ち、地域情勢の緊張を激化させることをすべきでない」と述べ、北朝鮮を含めた各国に自制を求めた。中国は安保理常任理事国だが、安保理決議違反の行為への対応としては甘くないか。

 中国の王毅外相は先月、北朝鮮に核・ミサイル開発を一時停止するよう要求する一方、「北朝鮮への軍事圧力を高め続けている」として、米韓両国にも現在行われている軍事演習を一時停止するよう提案した。だが、この二つを同列に扱うような考えは間違っている。

 中国は北朝鮮に無条件で開発停止を求めるべきだ。最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備に反発し、配備のための用地を提供した韓国企業に中国国内での営業停止などの報復行為に出ていることも理解し難い。

 中国は、北朝鮮の体制動揺が東北部への難民流入などにつながることを恐れ、圧力強化には及び腰とされる。しかし地域の大国として、北朝鮮の核・ミサイル開発を看過することがあってはなるまい。

 トランプ氏は北朝鮮に大きな影響力を持つ中国に、挑発行為の自制を強く働き掛けるよう求めなければならない。中国に「北朝鮮からの石炭の輸入の停止」という安保理制裁決議の履行徹底を念押しすべきだ。その上で、さらに実効性のある米中共同措置を取らなければならない。

 もっとも、トランプ氏は「もし中国が北朝鮮問題を解決しようとしなければ、われわれが行う」と述べ、中国が北朝鮮への圧力を強化しなければ、米国が単独で核の脅威を取り除くと警告した。首脳会談を前に中国を牽制(けんせい)した形だ。米韓演習では、米特殊部隊が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長らの排除を狙った訓練を行っているとされる。

 仲裁判決の受け入れ迫れ

 北朝鮮の核・ミサイル開発だけでなく、中国による南シナ海の軍事拠点化も容認できない問題だ。

 中国は、南シナ海での領有権を退けた昨年7月の仲裁裁判所判決を「紙くず」と切り捨て顧みない姿勢を貫いている。トランプ氏は習氏に判決を受け入れ、軍事拠点化をやめるよう強く迫るべきだ。