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ポケモンGO、周囲への配慮を忘れずに


 任天堂などが開発し、全世界で爆発的人気を博しているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の日本での配信が始まった。

 だが、懸念されていたようにトラブルが相次いでいる。ゲームを楽しむためにも、危険な操作を避け、周囲への配慮を忘れないようにしたい。 

交通事故などトラブルも

 従来のポケモンシリーズはゲームの世界でポケモンを探してきたが、ポケモンGOではスマホのカメラ映像にキャラクターを重ねる「拡張現実(AR)」という手法を採用。現実世界で「ポケモン探し」を体験できる斬新さが売り物だ。

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スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」で遊ぶ高校生=23日午後、東京都台東区

 シリーズは、ゲーム第1作が1996年に発売されてから20年。子供の頃にゲームやアニメを楽しんだ層が大人になり、幅広い世代の人気を集める環境も整っている。

 米国などで先行配信されるとともに任天堂の株価が急上昇したほか、関連企業にとっても大きな商機となるとみられ、経済効果も期待される。配信開始は子供たちの夏休みと重なって、先週末は全国各地でスマホを手にゲームに熱中する人の姿が目立った。

 一方、米国などではゲーム中の交通事故や私有地への不法侵入などのトラブルが相次いでいる。菅義偉官房長官は「重要施設のセキュリティーの確保は極めて重要。しっかりと入られないように対応していきたい」と、利用者の侵入防止に万全を期す考えを強調。原子力規制委員会は電力会社に対し、原子力施設の警戒強化などを求める文書を送った。

 しかし、早くも国内でもトラブルが生じている。配信以降、車やバイクを運転しながらポケモンGOで遊ぶなど、大事故につながりかねない行為で検挙される事例が全国で相次いだ。宮崎県では、ゲームに熱中するあまり、中国人男性2人が市営住宅の敷地に侵入した。他人の迷惑や危険を顧みないことがあってはならない。

 4月の熊本地震で被害を受けた熊本城の立ち入り禁止区域内に侵入しようとしたケースもある。配信する側は、危ない場所にポケモンが現れないような措置を取るべきだ。

 ポケモンGOはゲームの性質上、歩きながらスマホを操作することになりやすい。こうした「歩きスマホ」による鉄道ホームからの転落などの事故も心配だ。道路では歩行者や自転車と衝突する恐れがあるほか、誰かにぶつかってけがをさせた場合には過失傷害罪に問われる可能性もある。

 警察や鉄道会社の注意喚起が求められるのは当然だが、利用者一人ひとりが周囲の状況に十分に注意するとともにマナーを心掛ける必要がある。 

スマホの適切な利用を

 もっとも、歩きスマホはポケモンGOの配信以前から問題となっていた。またポケモンGOとは別に、スマホの無料通信アプリなどを通じて少年らが犯罪の被害に遭うケースも後を絶たない。

 ポケモンGOの配信開始を、スマホの適切な利用について家族で改めて考えるきっかけとしたい。