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典子殿下御結婚、出雲の地で幸せな御家庭を


 高円宮家の次女典子女王殿下と出雲大社(島根県出雲市)神職の千家国麿さんの結婚式がきょう、出雲大社で行われる。お二人が幸せな御家庭を築かれるよう、この良き日を心からお祝い申し上げたい。

祭祀を司る千家家に

 5月に御婚約の内定が発表され、7月に一般の結納に当たる「納采(のうさい)の儀」が東京・元赤坂の高円宮邸で行われ、婚約が正式に調(ととの)った。結婚式の期日を伝える「告期の儀」を経て、きょうを迎えた。

 2日には皇居で「朝見の儀」に臨み、天皇、皇后両陛下に感謝の言葉を述べられた。天皇陛下からは「今後とも二人で愛を育み、良い家庭を築いていくよう願っています」とのお言葉を頂いた。

 昨日は祖父母の三笠宮殿下御夫妻ら御親族に見送られながら高円宮邸を出発されたが、空港までは天皇陛下によって特別に用意された御料車で行かれた。陛下の深いお心遣いを感じる。

 典子さまは大正天皇のひ孫に当たられる。女性皇族で天皇のひ孫以降が女王とされ、女王の御結婚は戦後初めてとなる。

 典子さまは1988年生まれで26歳。学習院大学で心理学を学ばれ、卒業後は成年皇族として公務に当たってこられた。2002年、14歳の時に父の高円宮殿下の薨去(こうきょ)という悲しみを体験されたが、姉の承子女王殿下、妹の絢子女王殿下とともに、母の高円宮妃久子殿下の精力的な御活動を支えてこられた。

 新郎の国麿さんは、出雲大社の宮司を代々務める千家家の長男として1973年に生まれた。国学院大学で神道を学び、現在は出雲大社権宮司。昨年は出雲大社の60年に一度の遷宮で重要な役割を果たした。

 高円宮家と千家家とは高円宮さまの御在世中から家族ぐるみのお付き合いがあり、御結婚の話は、そのような中から「自然に」出てきたことだが、やはり「縁結び」で知られる出雲大社のことを思わざるを得ない。

 「古事記」「日本書紀」には、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の奇稲田姫(くしなだひめ)との結婚や大国主命の妻問いの物語があるが、出雲での御結婚は、そのような太古の世界へと我々の想像を誘う。

 大国主命は出雲大社の祭神であり、皇祖神・天照大御神の子孫に「国譲り」をした国つ神の代表である。天照大御神を祖神とする皇族の典子さまが、伊勢神宮と並ぶ神道のもう一つの中心、出雲大社の祭祀を司る千家家に嫁がれることには、深い意味があると思われる。

 御結婚によって民間人となられる典子さまには、これからは皇室と民間の橋渡し役として活躍されることを期待したい。

 皇族の嫁ぎ先が首都・東京から遠く離れた地方であるというのは、最近ではなかったことである。地方創生、東京一極集中の克服がいま日本の最大の課題の一つとなっている中、典子さまが嫁がれることが地方創生の先駆けとなることも望まれる。

神々の計らいを感じる

 もちろん、典子さまの御結婚は、そのような政治・社会的な課題とは関わりのないものである。しかし、あまりに見事な一致に、神々の計らいを感じても決しておかしいことではない。

(10月5日付社説)