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渡辺氏の借入問題で疑惑解明に自ら積極姿勢を


 「政治とカネ」をめぐる疑惑がまた浮上した。みんなの党の渡辺喜美代表が化粧品会社会長から8億円を借り入れていた問題で、使途が不明なため法に抵触する可能性がある。

 同党が主導して調査をするというが、それで疑惑を晴らせるのか。渡辺氏本人が「違法性はない」と主張するなら、自ら衆院政治倫理審査会の開催を申し出るなどしてでも身の潔白を証明すべきである。

 法に抵触の可能性も

 8億円は、会社会長が渡辺氏の個人口座に2回にわたって振り込んだものだ。1回目は3億円で、2010年7月の参院選直前。2回目は5億円で、12年12月の衆院選の直前というタイミングだったので、どちらも選挙資金に使ったのではないかとの疑惑が強まっている。

 貸した側も「選挙資金として貸した」と語っている。渡辺氏から要請された携帯メールも残っているという。ところが、選挙運動費用や政治資金の収支報告書にそれらの金額の記載がないため、公職選挙法や政治資金規正法に抵触する可能性があるのである。

 一方の渡辺氏本人は「純粋に個人として借りたので違法性の認識は全くない」と主張。資産報告書の借入金残高が食い違っていることについても「事務的ミス」なので、訂正をするというのである。

 だが、個人的に借りたにしてはあまりにも巨額だ。その使い道については「政治家として生きていく上で必要なもろもろの費用に使った」とか「会議費、交際費、旅費」、具体的には「酉の市でかなり大きな熊手を買った」などと話す程度で、信頼性に欠けると言わざるを得ない。

 一体、8億円もの金が何に使われたのか。渡辺氏は「党倫理委員長が支出を調査する」と語った。しかし、もともと渡辺氏の「個人商店」とも言われる政党である。内輪の調査では十分であるまい。

 そこで、同党の浅尾慶一郎幹事長が「(外部の)弁護士と公認会計士を含めて支出を検証する」と述べた。それなら時限を設けて早く検証結果を公表すべきだ。それでも疑惑が晴れなければ、渡辺氏自ら衆院政治倫理審査会の開催を申し出るなどして解明への積極姿勢を示すべきである。

 同審査会は、本人の申し出がなくても委員の3分の1以上が申し立て、過半数が賛成すれば出席を要請して審査できる。もちろん出席は強制されないが、そこまで追い込まれれば渡辺氏にとって政治活動上、大きなマイナスとなろう。

 国会質疑も調査せよ

 もう一つ不可解なのは、3億円の貸し付けは「利息0・5%、返済期限11年12月」と契約書を交わしながら、5億円の時にはそれを交わさなかった点だ。「信頼関係がより深まったので、いつまでに返してとは言わなかった」(会長)というほど両者の関係は密接なものだったと推測される。

 そうであるなら、化粧品の規制緩和などに関して渡辺氏あるいは同党議員による国会での質疑に配慮はなかったのか。その点も併せて調査していくべきである。

(3月31日付社説)