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【社説】新成人に望む 21世紀生まれの新風起こせ


成人の日

 きょうは成人の日。新成人は2001年、21世紀最初の年の生まれだ。長引く新型コロナウイルス禍での成人式となるが、21世紀生まれの先頭ランナーとして困難に直面する世界に新しい風を吹き込んでもらいたい。

世界はネットで1秒圏に

 総務省の人口推計によると、01年生まれの新成人は前年から4万人減って120万人。過去最少を更新した。総人口に占める割合は0・96%。1%を下回るのは12年連続となった。日本にとって貴重な若い力であり、期待は大きい。

 新成人たちが生まれた年は、新世紀の始まりの年として明るい祝祭的な気分の中で迎えられた。「戦争と革命の世紀」の20世紀が終わり、平和と共栄の世紀の到来が期待された。しかし、その祝祭ムードは9月11日の米同時多発テロによって吹き飛ばされてしまった。

 21世紀に入って既に20年が過ぎたが、米同時多発テロに象徴される民族・宗教対立は激化。さらに中国やロシアなど独裁主義、権威主義の国々が自由・人権への圧迫を強め、それに対峙する米英そして日本など自由主義国家との新冷戦の様相を深めている。環境面では地球温暖化の深刻化、さらに新型コロナのパンデミックという感染症の脅威が加わった。

 しかしこれらは、前世紀から積み残されてきた課題であり、それが今顕在化したものだ。こうした歴史的な課題を解決すれば、21世紀は希望に満ちた明るい世紀にすることができる。そのためには、21世紀生まれの新世代の過去にとらわれない新しい発想が必要だ。

 コロナ禍という環境の中で、大学生などはまともに対面授業も受けられず、学友との交流もままならない人が大半だろう。しかし、インターネット世代の特徴を生かして困難を克服してほしい。

 世界中の人がコロナ禍を通して、当たり前の日常がいかに尊いかを実感している。新成人の多くも、家族、友人とのつながりがいかに貴重か改めて分かっただろう。そういう点では、人生における堅実な歩みが自然と身に付くのではないか。

 しかし、あまり内向きになる必要はない。いまや世界はネットで1秒圏の時代となった。日本の自由な環境で育まれた創造的な産物が即、世界に通じる可能性を持つのだから、常に世界を目指してほしい。米大リーグで活躍する大谷翔平選手も、ずば抜けた才能だけでなく、志と夢が出発点にある。

 世界には、自由に自己の意思を表示することもできない国や地域がある。残念なことに、香港やミャンマーなどではかつてあった自由が奪われつつある。日本は幸い、信教や表現の自由など、創造的な活動の大前提が保障されている。その価値を認識し、それを守っていく側に立ってほしい。

責任自覚し目標へ邁進を

 若い世代にとって生きづらい時代とも言われるが、自由がある限り、道は開かれ、可能性は無限である。若者に許された特権とも言える。

 成人となって、それに責任が加わったことを自覚し目標に向かって邁進(まいしん)してほしい。