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台湾TPP申請 日本は加入実現に尽力を


台湾が環太平洋連携協定(TPP)への加入を正式に申請した。台湾との関係強化のためにも、日本は加入実現に尽力すべきだ。

2020年8月10日、台北で蔡英文総統(右から2人目)にあいさつするアザー米厚生長官(右端)ら一行(AFP時事)

2020年8月10日、台北で蔡英文総統(右から2人目)にあいさつするアザー米厚生長官(右端)ら一行(AFP時事)

「重要なパートナー」

 茂木敏充外相は台湾について「密接な経済関係を有する重要なパートナー」と強調した。日本は、世界的に不足する半導体の製造に強みを持つ台湾との連携強化を探っている。

 TPPは農林水産品や工業製品の関税減免、国有企業の優遇制限など厳格な自由貿易・経済活動のルールを定めている。台湾は国内法令の制定など加入の準備を進めてきた。

 蔡英文総統は「全てのルールを受け入れる用意がある」と表明している。日本にとって、民主主義や法の支配などの価値観を共有する台湾の加入は、覇権主義的な動きを強める中国を牽制(けんせい)する上でも重要だ。

 加入に向け喫緊の課題となるのは、東日本大震災後の福島など5県産食品の禁輸を解除することである。米国は今月、日本産食品の輸入規制を撤廃した。台湾も後に続いてほしい。

 台湾政府高官はTPP加入申請について「長期的な経済成長戦略の一環だ」と述べた。台湾の数日前に加入を申請した中国に関しては「先に加入されると、台湾にとってはかなりのリスクだ」と危機感をあらわにし、早期の加入実現へ交渉を加速させる考えを示した。

 中国は「一つの中国」原則に基づき、地域経済統合を含む台湾の国際活動に一貫して反対している。台湾のTPP加入申請に対しても「断固反対」(中国外務省の趙立堅副報道局長)を表明した。

 しかし中国が2001年12月に世界貿易機関(WTO)に加盟した際、台湾も「地域」の扱いでほぼ同時期に加盟した。中国が台湾のTPP入りに反対するのはおかしい。

 交渉入りには全参加国の同意が必要となる。早期加入の見通しが立っていない中国が、台湾の先行加入を阻止するため、TPP加盟各国に対する働き掛けを強めることも考えられる。

 さらに台湾が加入申請を明らかにした直後、中国軍機延べ24機が台湾の防空識別圏に一時侵入するなどの挑発を行った。国有企業改革や産業補助金の見直しに着手しようともせず、台湾のTPP加入を妨害するのであれば、中国の加入の可能性はますます低くなろう。

 米国務省のプライス報道官は台湾のTPP加入申請について「台湾のWTOの責任あるメンバーとしての実績や、民主主義という価値観が考慮されることを期待する」と語った。

 もっとも米国自身は、国内産業の競争力強化を優先しているため、TPP復帰には慎重姿勢だ。だがTPPはもともと対中包囲網構築を目指し、米主導で交渉が進められた経緯がある。日本は米国へ復帰を働き掛けていく必要がある。

自民総裁選でも議論を

 自民党総裁選に立候補している高市早苗前総務相は、蔡総統とのオンライン会談で、台湾のTPP加入について「できる限り支援したい」と述べた。各候補はTPPに関しても議論を深めてほしい。