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大麻意識調査、薬物乱用防止教育の充実を


 警視庁が昨年、大麻取締法違反容疑で検挙した少年の37%が、大麻には有害性がないと認識していたことが同庁の調査で分かった。

 学校などで薬物乱用防止のための教育を充実させることが求められる。

 少年の検挙件数が激増

大麻

 警視庁は今春、同法違反容疑で昨年検挙した15~19歳の少年108人の取り調べを担当した捜査員らにアンケートを実施。大麻の違法性や有害性などについて、少年らがどう認識していたかを調査した。

 同庁によると、取り調べで100人(92・6%)が大麻は違法と答えたが、有害性については23人(21・3%)が「あまりない」、17人(15・7%)が「全くない」と話した。理由としては「大麻が合法化されている国がある」「依存性が弱い」などを挙げた。

 警視庁が2012年に大麻取締法違反容疑で検挙した少年は8人。それ以降、昨年まで増加を続け、今年上半期も昨年同期比約60%増の88人が既に検挙されている。検挙件数激増の背景には、誤った情報が広がっていることがあろう。

 大麻にはテトラヒドロカンナビノール(THC)という有害成分が含まれる。THCは記憶力の低下や幻覚作用などをもたらし、社会生活を送れなくなる恐れもある。

 また、確かに海外では大麻が合法化されている国もある。しかし、それは大麻が安全だからではなく、規制できないほど蔓延(まんえん)してしまったからだ。

 こうした場合、限定的に使用を認めつつ課税するなどして管理せざるを得なくなる。大麻合法化は一部の話で、日本をはじめ、ほとんどの国では厳しく規制されていることも忘れてはなるまい。

 さらに大麻は「ゲートウェイドラッグ」と呼ばれ、覚醒剤などさらに強い副作用や依存性のある薬物乱用のきっかけになることも多い。こうした知識を、学校などでしっかりと伝える必要がある。

 警視庁の調査では、約40%がインターネット交流サイト(SNS)を通じて大麻を入手したことも判明した。安く容易に入手できるようになったことも、少年による使用が増えた一因だろう。

 また、54人(50%)が「好奇心、興味本位」で大麻を使用したという。だが薬物を乱用すれば、自分の人生を台無しにするだけでなく、家族や友人にも多大な迷惑を掛けることになる。成人の場合は、離婚などで家庭が破壊されるケースもある。

 人生は自分一人のものではなく、自分が家族との絆の中で存在していることも自覚してほしい。青少年に対する薬物乱用防止教育でも、こうした点を強調するよう求めたい。

 厳罰化進め蔓延防止を

 厚生労働省は、現行の大麻取締法に規定されていない「使用罪」を創設する方針だ。早ければ来春の法改正を目指す。

 これまで使用罪のなかったことが「大麻を使ってもよい」との誤ったメッセージになりかねない面もあった。大麻の蔓延を防止するため、厳罰化を進めるべきだ。