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男女共同参画計画 「性差」生かす社会目指せ


 5年ごとに改訂される第5次男女共同参画基本計画が昨年末、閣議決定された。一読すると、基本法に埋め込まれたフェミニズム(女性解放)思想のDNAがしっかり受け継がれていることが分かる。

 「ジェンダー平等」に偏る

 子育てなど家庭生活における女性の役割を軽視する一方、「ジェンダー平等」と政治・経済分野における「女性活躍」に偏っているのだ。これでは、家庭崩壊が深刻化し、日本の未来は惨憺(さんたん)たる状況に陥るだろう。男女の役割分担意識を「思い込み」と一蹴せず、それぞれの特性を生かす共同参画社会を目指した基本法にするため、自民党は改正作業に着手すべきである。

 第5次計画は、あらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を「2020年30%」とした第2次計画以来の目標達成について、政治・経済分野を中心に困難なのは、社会に「固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が存在している」からだと分析。「ジェンダー平等」「女性活躍」の推進を強調している。

 確かに、その分野に女性の割合を法律で定める「クオータ制」を導入する外国と比べると、日本では衆議院で1割にとどまるなど、特に政治・経済分野で遅れており、そこでの女性活躍はもっと進んでいい。しかし、フェミニズムに拘泥し、多くの人が持つ性的役割意識を思い込みと捉えるのは、政治的中立性の逸脱ではないか。

 政府が「社会的性別」と定義するジェンダーについて、フェミニストとして知られる上野千鶴子・東大名誉教授はその著書で、「『ジェンダー』という用語をフェミニズムが採用したことこそ、フェミニズムが反資本主義、社会構造主義の立場に立つことの核心である」と、この文言に込められた狙いを明らかにしている。つまり、男女の性差まで「自然」ではなく思い込みにすぎないと主張するために、ジェンダーという言葉は採用されたのである。

基本計画は「女性活躍」を強調するが、この言葉の使用にも視点の偏りが見られる。活躍の本質的な意味は、人の命を守る文明社会の発展に貢献することだと言える。だから、家庭で子供を生み育てること以上の活躍はないという捉え方は、男女共同参画社会でも重要である。

 政治・経済分野で女性活躍を阻む障壁を取り除く必要はある。しかし、命を守り育てるという意識をより強く持つ女性が専業主婦や、一般社員として働き続け家庭と仕事を両立する道を選ぶ割合が多くなるのは自然で、この分野での活躍は高く評価されてしかるべきだ。

 自民は基本法改正を

 基本計画がフェミニズムに偏るのは、フェミニストの女性学者を中心に練り上げられた基本法(1999年施行)に原因がある。そこではジェンダーは使われていないが、「性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮する」という文言に、性差否定のDNAが埋め込まれたのである。フェミニストの意図を見抜けず、基本法を成立させた自民党には、男女の特性を生かした基本法に改正する責任がある。