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パートナー制度 「同性婚」に繋がり危険だ


 一夫一婦の婚姻制度を崩壊させかねない動きが広がっている。自治体が同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めて証明書を発行する「パートナーシップ制度」のことだ。

横浜市でも今月スタート

 神奈川県横浜市が今月、この制度をスタートさせた。同様の制度は2015年、東京都渋谷区で導入したのが最初で、今では大都市を中心に全国28自治体に増えている。今年度中に導入を予定する自治体もあり、さらに拡大しそうだ。

 ほとんどの自治体が条例の制定によらず首長権限で導入していることもあって、背景にある結婚観が住民に伝わっていないようだ。民主主義の観点からしても深刻な事態だ。

 この制度によって、自治体の承認を受けたカップルは“準夫婦”として、市営住宅の入居資格などを得ることになる。しかし、同性カップルの生活支援は制度の本質でない。本当の狙いは同性カップルの「社会的承認」だ。いわゆる「LGBT」(性的少数者)運動の活動家たちが、パートナーシップの次は「同性婚の合法化だ」と訴えるのはそのためだ。

 一方、わが国の婚姻制度は子供の福祉を主眼にしている。このことは、専門家が「民法は、生物学的な婚姻障害をいくつか設けている。そこには前提として、婚姻は『子供を産み・育てる』ためのものだという観念がある」(大村敦志著『家族法』第3版)と指摘していることからも容易に理解できよう。

 婚姻障害には年齢制限、近親婚・重婚の禁止と共に、同性カップルを対象から外すことが含まれている。既婚者が配偶者以外の異性と性関係を持つことが「不貞」として社会的な制裁を受けることを考え合わせれば、わが国の婚姻制度は一夫一婦を採ることで性関係を男女1組に安定させることを目指していることは疑う余地がない。その理由は当事者の幸福と共に子供の福祉を考えているからだ。

 にもかかわらず、自然には子供が生まれる可能性がない同性カップルを「結婚に相当する関係」とするというのだから、その狙いがどこにあるのか明らかである。伝統的な結婚観を覆すことだ。

 子供を生み育てることを前提とするのが伝統的な結婚観であるのに対して、パートナーシップ制度の背景にあるのは当事者の意思や幸せを根幹に置く結婚観だ。導入した自治体内だけに適用されたとしても、導入が増えるほど、子供を生み育てるという結婚観が崩れる半面、自己中心的な結婚が増え、児童虐待や少子化に拍車が掛かることが懸念される。

 また横浜市の場合、事実婚の男女も制度の対象としており、婚姻制度が形骸化する恐れもある。その到達点が同性婚の合法化だ。

危険性を周知させよ

 社会に重大な影響を及ぼすパートナーシップ制度が広がる背景には、マスメディアが煽(あお)ったLGBTブームがある。この流れに歯止めを掛けるには、一夫一婦の婚姻制度の意義を再確認するとともに、パートナーシップ制度の危険性を周知させる国民運動が必要である。